鹿沼の隅っちょから

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「鹿沼」でググった時に1ページ目に表示される事を目指していたのに鹿沼の事全然書いてません

猫河原家の人びと 花嫁は名探偵 青柳碧人

今や人気作家としての地位を固めた感のある青柳碧人さん。昔からファンだった私からすると本当に感慨深いです。今や売りたい人を出版社とグルになってんじゃね?と疑われてる本屋大賞ですが、もうそんな噂とかどうでもいいです。青柳さんの名前を多くの人に知らしめてくれただけで私は満足です。ありがとう本屋大賞

ちなみにこの作品は家族全員が探偵という設定の猫河原家シリーズの3巻目です。これ以降続編が出てないのでこれが最後なのかもしれません。好きだったので寂しいわぁ。

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「爪噛温泉殺人事件」は波乱の幕開きだった。かおり姉が結婚宣言するわ、お相手は事件の〈第一容疑者になりやすい男〉だわ、新郎一家も曲者ぞろいで……。

はたして、両家顔合わせの席で新郎父はのたまった「そもそも私は、名探偵というのが嫌いでね」。

突如始まる推理バトル。猫河原家は勝てるのか。披露宴でも難事件発生、私の謎解きが大ピンチに! 絶妙の伏線が冴える連作長編。

サブタイトルに「花嫁は名探偵」とありますが、主人公は花嫁ではなく妹です。と書いてから気が付きました、ああこれも仕掛けだったのね。

ミステリー界隈では重いのやら軽いのやら古典的やら前衛的やら様々な方向性がございますが、青柳碧人なる作家は基本的に軽いんです、軽いのですが結構人が死にます、よくよく考えると内容的に結構重かったりもします。しかしイメージなのかはたまた表示の絵のせいなのか、ライトな感じがするんですよね。今回もよく考えてみると動機が結構ヘビーだったりします。しかし、そういう所では無いんです、青柳さんの作品としての核は。

ミステリーとしては物凄い真っ直ぐなんです。そしてそのミステリー、謎解きが核なんです。そしてこの作品もミステリー部分は奇を衒わずに真っ直ぐです。だから毎回読みながらちゃんと提示してくれた謎を自分なりに考えられるんです。その部分が私は好きなのかもなぁ。

軽い感じに捉えてしまうのは、ミステリーに付随している物語がライトノベルなのよね。特に浜村渚シリーズは正しくライトノベルだからね。実際の内容は数学を扱っていてそんじょそこらのミステリー顔負けの謎を提供してくれるんですけどね。

 

家族全員探偵という設定、ミステリー好きなら絶対にニヤニヤできます。これは硬派なミステリー好きの方なら尚更楽しめるシリーズなので、興味を持たれた方は是非!私は何でも古い習慣や神話などに結び付けて推理する長男が大好きです。