鹿沼の隅っちょから

鹿沼の隅っちょから

「鹿沼」でググった時に1ページ目に表示される事を目指していたのに鹿沼の事全然書いてません

デトロイト美術館の奇跡 原田マハ

山田五郎youtubeチャンネル「山田五郎 大人の教養講座」に出会ってから絵画に嵌まり、今では美術館巡りが趣味とか自分でも意味が分からない事になってるのですが、その一環として絵画にまつわる作品が多い原田マハを読むようになりました。「楽園のカンヴァス」が絵画を扱ったミステリー風で面白かったので、この作品もその路線かと思って読んだらそんなことなかった。

www.shinchosha.co.jp

ゴッホセザンヌルノワール綺羅星のようなコレクションを誇った美術館は、二〇一三年、市の財政難から存続の危機にさらされる。市民の暮らしと前時代の遺物、どちらを選ぶべきなのか? 全米を巻き込んだ論争は、ある老人の切なる思いによって変わっていく――。実話をもとに描かれる、ささやかで偉大な奇跡の物語。

実話をもとに描いてるそうで、そのせいなのか驚きも達成感も無く物語が着地していきました。そもそもこの本を手に取った時に「本が薄い」と思ったのよね。実際に読んでみてこれ短編集に入るぐらいの分量だなと。120ページで終わってるし。

ただ、あまり絵画が絡む物語に触れたことが無いので、それはそれで新鮮で楽しかったりもしました。表紙のセザンヌの絵が一番出てくるのですが、正直私にはこの絵の良さが全く分かりません。それでも、ああセザンヌだなぁ、と。んでこの絵に惚れこんでる市民の描写があるのですが、いやこんな仏頂面のどこがいいんだよ、と思いつつもニヤニヤしてる私がいます。分かります?この気持ち?分からないですよね、俺も分からないもの。

 

欧米の寄付に対する感覚が日本と違い過ぎて、そこが文化の違いって奴なんですかね。絵画などアートに対する感覚さえ、どうも日本と欧米では違うようですしね。

山田五郎の受け売りですが、欧米は作品はみんなのものだから展示するのに対し、日本は作品はみんなのものだから保存する、という考え方らしいです。なので、日本では展示期間なるものが設定されており、国宝や重要文化財等の展示回数年2回期間が60日間と決められているんです。だからさ、風神雷神が見たくて東京国立博物館に行っても展示されてない場合があるんですよ。作品が痛む一番の原因が移動らしいので、展示期間を設定してる方が保存に向いてない規則なんですよ。馬鹿みたいでしょ?

 

行けば必ず目当ての作品に出会えるって羨ましいなぁ、なんてこの作品を読んで思いました。俺はいつ小杉放菴の水郷を見られるのだろうか、ってこれは展示期間とか関係なかったわ。

www.momat.go.jp