鹿沼の隅っちょから

鹿沼の隅っちょから

「鹿沼」でググった時に1ページ目に表示される事を目指していたのに鹿沼の事全然書いてません

国立新美術館にて全く理解できないと思ってたゴッホやセザンヌの作品を見て衝撃を受けるド素人

作品を直に見ないと本当の良さが分からない事の意味を知った私。もっと多くの作品を見てみたい欲求が加速しまして、気になっていた展覧会に突撃しようと決断いたしました。その展覧会がこちらです。

www.nact.jp

パンフレットを折り曲げてしまった事を後悔しております。ああ、次に展示会等に行くときはクリアファイルとそれを入れるバッグを持っていこうそうしよう。

そんな訳で、六本木にある国立新美術館で行われる「メトロポリタン美術館展」です。私でも知ってる、そして山田五郎Youtubeでも取り上げられた作家の作品が多数展示されているので、知識が乏しい私でも楽しめると判断しました。カラヴァッジョ、レンブラントフェルメールルノアールドガセザンヌゴッホ、モネあたりが山田五郎Youtubeでも取り上げられております。それを見た私にはそのニワカ知識があるからね、きっと楽しめるだろうと。

 

新鹿沼からスペーシアで北千住、そこから千代田線で乃木坂と約2時間で国立新美術館に到着いたしました。乃木坂駅から国立新美術館の入り口まで繋がっているので便利なのですが、そのお陰で建物自体の外観を裏手からしか見てなかったんです。帰宅後に建物の画像で見て「実際に見てみたかった!」と後悔しました。こんな風になってたのか国立新美術館

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/f/fd/National_Art_Center_Tokyo_2008.jpg/1280px-National_Art_Center_Tokyo_2008.jpg

中はおしゃれメインなのかデザイン先行なのか、私は開場を待ってる間閉塞感がありました。ガラスの向こうに外が見えるのに、さらに吹き抜けで上に空間があるのに、壁などがこちらに迫ってくる角度なので息苦しかったのよね。

https://bt.imgix.net/museum/58/sub/img4471237642145665360_45a6a99197c77ea9198165bd1e648620.jpg?auto=format&fm=jpg&w=1472&h=828&fit=clip&rect=0,56,850,478&v=11

画像検索してなるべく分かるものを貼り付けておきました。どうです?閉塞感ありません?広いのに狭い、みたいな。建築の知識やセンスが皆無な私ですが、どうにも好きになれませんでした。早くここから動きたい、早く中に入れてくれ、とずっと思ってたもんなぁ。

って建物はどうでもいいですね、すみません、私建築物も好きなものでして。

 

今回も1時間前後でサクッと見て回りました。やはり音声ガイドのお陰で入り口付近以外はすべての作品を眺めることが出来ました。

時系列で展示してありまして、大きく三つの時代を分けて展示しておりました。

信仰とルネサンス

絶対主義と啓蒙主義の時代

革命と人々のための芸術

自分でも驚いたのですが、知識が無いからなのか「信仰とルネサンス」ゾーンは全くと言っていいほど私の琴線に触れる作品がありませんでした。あっと言う間に通り過ぎてしまった感じです。「やべぇ俺やっぱり絵画わかんねー」と不安に駆られました。

次の「絶対主義と啓蒙主義の時代」はそこそこ楽しめましたのでほっとしましたけどね。

 

ヤン・ステーンの「テラスの陽気な集い」はどう考えても笑いを取りに来てると思ったのですが私だけでしょうか。笑い方が猪木の真似にしか思えない程みんな顎を出してるんですけど。

https://images.metmuseum.org/CRDImages/ep/original/DP146455.jpg

見た時静かな美術館で噴き出してしまったのですが、そんなの俺だけ?いやいやみんな笑うよね?ほぼ全員猪木の真似をしてるんだぜ?そりゃ笑うって!

 

気になってたマリー・ドニーズ・ヴィレールの「マリー・ジョセフィーヌ・シャルロット・デュ・ヴァル・ドーニュ」はやはり見惚れました。って名前長いわ。

https://cosinessandadventure.com/wp-content/uploads/2021/09/Marie-Jose%CC%81phine-Charlotte-du-Val-dOgnes-by-villers.jpg

腰から足に掛けてまとわりつく布の質感がエロくないですか?え?そんな目で見ちゃいけないっすかね。書いた人女性なんですけどね。やはりエロいわこれ。

 

「革命と人々のための芸術」ゾーンに来たら、さらに立ち止まる作品が増えました。やはり私はここらへんからの知識しかないのかもしれません。

が、やはりクールベの性癖は理解できない。

https://i0.wp.com/rakukatsu.jp/wp-content/uploads/2021/11/07-2.jpg?w=800&ssl=1

タイトルで「水浴する若い女性」って言ってるのになんだこのだらしない体は!後年はもっとすっきりしたエロい女性を描いてるので、彼はこの時何かあったとしか思えません。あ、クールベで「世界の起源」って検索しちゃ駄目だぞ。ちなみに彼の作品で一番好きなのは彼の自画像です。

 

ジェロームの「ピュグマリオンとガラテア」はエロかった。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/d/da/Pygmalion_and_Galatea_%28G%C3%A9r%C3%B4me%29_back.jpg/800px-Pygmalion_and_Galatea_%28G%C3%A9r%C3%B4me%29_back.jpg

彫刻から生身の人間に変化してる途中で抱き着いちゃうガラテアさん分かるわぁ。ピュグマリオンの腰の捻り方とかもエロイ。というかこのジャン=レオン・ジェロームさん、他の作品もエロいことが分かりました。俺好きだわ彼。

 

で、生まれて初めてゴッホの作品を生で見た訳ですよ。「ああ、あのゴッホの作品か、でも有名じゃない作品だし見た目も地味だし、というかこれ草っ原に生えてる木ってだけだよな、何がいいんだよこんなの。」と思いながら眺めていたんですよ。

https://pichori.net/Travel/18/photo/metropolitan_museum_gogh7.jpg

山田五郎Youtubeゴッホの人生を知りました。非常にメンドクサイ奴で人間味はあるけど近くに居たらウゼー奴なんだろうなぁ、金銭感覚もおかしいし弟に頼りっきりだし手紙ばっかり書いてるし部屋は汚いし売れない絵ばかり描いてるし。そんなウゼーけどなんだか愛らしいゴッホというキャラクターを知った上でこの作品を眺めていたんです。

見てるうちに絵の具が分厚く塗りたくられてる事に気が付きました。木の部分なんて立体的になってるぐらい盛り上がってるんですよ。ああ、これをゴッホがやったんだな、と理解した瞬間、涙ぐんでる私がいたんですよ。自分でもびっくりしました。え?なんで俺泣いてるの?って。

後から冷静になって分かったのですが、まず一つとしてゴッホなるキャラクターが私の中で愛おしい存在になっていたこと、そしてそのゴッホが直接描いた作品を直に見ていると理解できたこと、これが重なって感動したようです。単純に大好きなアイドルの直筆サインを見たときの感動と同類ですわ。ええ、私、思いっきりミーハーなんです。

構図とか色彩感覚とか時代背景とか全然分かりません。だけど、この作品にはゴッホの生き様と言うか魂と言うかそういうものを感じることが出来て感動したんです。作品としてではないので邪道な楽しみ方なのかもしれませんが。

 

そして感動を覚えながらセザンヌの絵を見たんです。山田五郎曰く「絵が下手」なセザンヌ。遠近感が書けず、質感も描けず、色もくすんでるし、私には本当に彼の良さが微塵も分かりませんでした。

なのに、直に見たセザンヌは、何だか良いんですよ、なんだこれ。

https://zoomupcollection.com/wp-content/uploads/2022/02/77cf985cd7d77df9b3236d9b94f71594.jpg

リンゴを見たときに物質と空間の境界を黒い線で書いてること(主線と言うそうです)に驚いたんですよ。今までの絵画で見たこと無かったから。で、それに気が付いた瞬間に「良い」と感じちゃったんですよ。ああ、いまだに自分でも理解できない。マンガでカラーだとこういう描き方するけどさ。

 

まさかゴッホの作品に涙しセザンヌが良いと感じるなんて夢にも思いませんでした。お陰で買うつもりが無かったグッズまで買っちゃったよ!

 

本物を実際に見ることの大切さを改めて感じました。展示会じゃなくても普通に美術館に行ってもっと多くの作品を見てみたい!そんな欲求が湧いております。

やはりアンリ・ルソーの作品を見てみたいなぁ。日本に結構な作品数があるようなので、近いうちに会いに行きたいと思います。ああ、また一つお金の掛かる趣味が増えてしまった。