鹿沼の隅っちょから

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「鹿沼」でググった時に1ページ目に表示される事を目指していたのに鹿沼の事全然書いてません

薬屋のひとりごと12 日向夏

気が付いたらもう12巻目ですか。私が知った段階でもう人気シリーズと化しておりましたが、まさかこれほどまでの化け物タイトルになるとは思いも寄りませんでした。ヒーロー文庫なるレーベルをたった一人で支えてるもんなぁ。ナイツ&マジックの続巻はまだですかね。そんなことより今回も非常に満足できる内容でした。本当に面白い。

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玉鶯は、蝗害は異民族のせいで起きたと憤る民を鎮める名目で、砂欧に戦争を仕掛けようとしていた。壬氏は戦を避けようと頭を悩ませていたが、 玉鶯の暗殺という思わぬ形で戦を回避することになる。しかし、領主代行を失った西都の舵を取る者がいない。壬氏は、いやいやながら西都の政務を執ることになった。
猫猫は、心身ともに疲弊する壬氏を気遣いながら、怪我人や病人を診る日々を送っていた。そんなある日、壬氏は、領主代行だった玉鶯の息子たちを、西都のために後継者として政治を教え、育成してほしいと頼まれる。しかし、玉鶯の長男・鴟梟はどうしようもない無頼漢であった。他の二人も後継者教育を受けたことなどないことがわかり、猫猫は頭を抱えてしまう。
だが、猫猫たちは否応なしに西都のお家騒動に巻き込まれてしまう。玉鶯の三人の息子たちを後継者として育成してほしいと頼まれたうえ、鴟梟の息子・玉隼は中央から来た猫猫たちを目の敵として邪魔をしてくる。誰が西都を継ぐのか……多くの思いが交錯する中、猫猫の元に事件が舞い込む。
玉鶯の孫たちの不仲。
醸造所で起きた食中毒。
謎の病を訴える異国の娘。
そしていつも以上に不可解な行動をする雀。彼女の本当の目的とは一体何なのだろうか。そして、雀の本当の顔も明かされることになるのだが---。
猫猫は無事、中央へと帰ることができるのだろうか。そして、壬氏との関係をはっきりさせる時が来るのだろうか。

伏線を大分前に置いておくこの手法、素直に感心してしまいます。もうその頃からこの展開を考えていたの?!とただただ驚きです。最初の頃疲れないミステリーものとか言って上から目線で語ってた自分を殺したい。ああ、恥ずかしい。そもそもね、アニメ化されて視聴してるのです、なんだ最初からちゃんとミステリーしてるじゃん!なんで俺エラソーに語ってたんだろうか?本当に恥ずかしい。

今回も大分前に伏線を張り、前の巻で終わったと思ってた舞台装置をさらに使い、最後に物凄く綺麗に回収するその手際の良さ。さらに笑いの要素まで添えてさ。ここに最初から恋愛要素も入れてるんだぜ?完璧じゃん、薬屋のひとりごと

次巻から新しい展開というか舞台が再び都に戻るので、これからどうするの?どんな風に既存のキャラクターを転がすの?と楽しみで仕方がありません。と言うかすでに13巻発売されてるし、何ならすでに購入済みなんだけどね。でも読んじゃうとなんか勿体ない気がしてさ。同じ感情で「りゅうおうのおしごと!」も新刊を手元に置いてあるんだけどね、ってこれは置き過ぎて2巻もストックが出来てしまったのですが。

 

帯に

彼女の「正体」を知ると9巻から読み返したくなる

とありますが、前巻の彼と比べるとそのインパクトは薄いかなぁ、というかこういうネタバレというか匂わせはあまりしない方が良いと思いますよ主婦の友社さん。

ま、面白かったからいいんですけどね。願わくば、これからもこのシリーズが続いていくことを祈っております。好きなシリーズものが終わっていくのは、仕方がないのですが寂しいものなんです。