鹿沼の隅っちょから

鹿沼の隅っちょから

「鹿沼」でググった時に1ページ目に表示される事を目指していたのに鹿沼の事全然書いてません

薬屋のひとりごと11 日向夏

伏線、そして回収。

それが鮮やかに決められた時、私は言いようの無い興奮を覚えます。そしてその伏線をいつ思いついたのか、途中で当てはめたのか、最初からそのつもりだったのか。そういうことを妄想しながらニヤニヤしてしまいます。そして、まさかそのニヤニヤがこのシリーズでも味わうことが出来るなんて思いもしませんでした。ありがとう日向夏

herobunko.com

戌西州を襲った大蝗害。
過去の蝗害を知る者は少なく、人々は混乱する。西都や国境近くでも、食糧の強奪や暴動が頻繁に起きていた。猫猫は何もできない自分を歯がゆく思いつつも、できる限りのことをやっていた。
それは中央からの客人である壬氏も同様で、身の安全のためという名目の軟禁生活を強いられながらも、蝗害を予見していたことで、中央からの支援物資を早く受け取ることができた。だが、その手柄は壬氏ではなく西都の領主代行・玉鶯のものとして扱われてしまう。手柄の横取りに猫猫は腹を立てるが、当の壬氏はどこ吹く風で、皇弟という立場を最大限に利用して戌西州への支援要請を行う。
また、物資が不足する中、猫猫にさまざまな問題が火の粉となって降りかかる。謎の腹痛に苦しむ玉鶯の孫娘。変人軍師・羅漢が連れてきた棋聖と呼ばれる老人。同僚の医官・天祐の奇行。そして、消息不明だったあの人が帰ってくる⁉
一方、西都では皇弟に対する不満が高まっていく。蝗害による飢えや病に苦しむ民衆は、とうとう皇族である壬氏へ怒りの矛先を向けることに。守り支えていたはずの民衆に恨まれてしまった壬氏の決断は?不審な動きを続ける領主代行・玉鶯の狙いとは?そして、猫猫は無事、危機を脱することができるのか?

公式HPに「面白さ絶対保証。怒涛のクライマックスに刮目せよ!」なんて書かれてまして「おいおいそりゃ盛り過ぎだろというか公式がこういう単語を使用していいのかい?」なんて不安で不審で不信な気持ちになったのですが、読み終わった今「書きたくなる気持ちも分かるわぁ」となっております。

なんだこの鮮やかでとんでもない規模の伏線回収は!!

このシリーズを読み続けていたのはこの11巻を読むためだったのかもしれません。そのぐらいの衝撃でした。そしてさらに言えば、この先もこのレベルの衝撃が続いていきそうな予感さえ漂ってることにも驚いております。このシリーズってこんなに凄い代物だったっけ?出来のあまり良くないミステリー風ライトノベルだけど読んでいて疲れない程度だと思っていたのですが、私の中でこの11巻で完全に評価が覆りました。

これは凄い。

この展開を最初から考えていたのか、それとも序盤からなのか、ここ最近思いついたのか。どれにしてもやはり凄い、凄いとしか言いようがない、褒めたいのに私に適切な言語化できる能力が無い。

兎にも角にも、私は日向夏なる作家さんにごめんなさいしなければならないのは間違いありません。今まで申し訳ございませんでした。今、私の中であなた様は最高な作家の一人となりました。

ああ、次巻をすぐに読みたいわ。