週刊少年ジャンプを読み漁っていた頃、妹の読んでいた少女漫画を何気に手に取り目で追っているうちに驚愕しました。なんだこのちゃんとした物語進行!って。当時の少年向け漫画って行き当たりばったり系が多かったし、ただただ戦闘シーンの羅列ばかりだったからさ。そんな訳で私の中で女性向け作品はちゃんと物語してるって印象があるのですが、この後宮の烏も本当に素晴らしい物語でした。
後宮の奥深くに住んでいる、妃でありながら夜伽をしない特別な妃・烏妃。
その姿を見た者は、老婆であると言う者もいれば、少女だったと言う者もいた。
烏妃の名は寿雪。
彼女は不思議な術を使い、呪殺から失せ物さがしまで、何でも引き受けてくれるという。
時の皇帝・高峻は、ある依頼のため寿雪の元を訪れる。
二人の巡り合わせは、歴史をも覆す「秘密」を暴くことになる……。
物凄いざっくり言えば、幽霊が出てきて原因を探り出してそれを解決しながら、大きな物語がゆっくりと進んでいく、そんな展開です。しかし、その一つ一つが非常に丁寧に作られております。とにかくすべてにおいて完成度が高い。その根幹をなすのはやはり原作力なのだと思います。
原作が面白ければアニメ化したって面白い筈なのですが、そう簡単ではないんですよねぇ。「惑星のさみだれ」とか「チェンソーマン」とかアニメ版は酷評しか聞こえてこないしね。
なので、制作会社および監督さんの力量も素晴らしいのだと思います。って制作会社のBN Pictures って知らないわと調べたらバンダイナムコピクチャーズでした。
元々サンライズなのか!そりゃあ仕事きっちりだわ。しかも監督の宮脇千鶴って銀魂の監督やってるやん。
やはり良い作品には良いスタッフがいるのですね。
私はアニメを物語として見る傾向が強いので、原作がしっかりした、そしてそれを完璧にアニメに落とし込んだこの作品を非常に評価しております。派手な展開もドキドキもワクワクも無いので人を選ぶとは思いますが、私は本当に楽しめました。
ちなみに、主人公の彼女ですが稀に物凄く可愛らしい表情を見せたりしますので、萌え系が好きな方にもオススメできます。やはり尊さはギャップから生まれるのですな。