鹿沼の隅っちょから

鹿沼の隅っちょから

「鹿沼」でググった時に1ページ目に表示される事を目指していたのに鹿沼の事全然書いてません

齢四十八にして絵画に興味を持つ、そのきっかけはドラクロワ『民衆を導く自由の女神』

何がきっかけでYoutubeを結構な頻度で見るようになったのだろう。

動画サイトをダラダラと見る習慣はとうの昔に無くなっていました。ニコニコ動画全盛期は空いてる時間全てを費やしてたかもしれません。それがいつの間にか、私の環境の変化なのかニコニコ動画が衰退したのか、私の持ち時間を動画視聴に費やすことは無くなっておりました。

そんな状態がしばらく続いていたのですが、ここ最近気が付いたらぼーっとYoutubeを眺めてる自分に気が付きました。Youtubeへの印象ですが、ニコニコ動画で育った私にとってはコメントが流れてこないし芸能人とか有名人ばかりだし文化的にあまり馴染めないんだよなぁ、なんて思っておりました。

Youtubeを利用するきっかけは筋トレだったんです。

筋トレの知識を得るために、トレーニング方法を動画で見ているうちにYoutubeへの蟠りというか敷居というか穿った見方が徐々に無くなっていったんですね。

そして、その内気が付いたらただただぼーっと動画を見てる時間が増えてきたんです。考えるに、ゲームをやるには気力が無い、でも何かをしていたい、そんな状況下においてはテレビよりもより自分の好みにアジャストできるYoutubeが良かったのでしょうね。

 

で、結局何を見ていたのかと言うと、ニコニコ動画がメインである岡田斗司夫の切り抜き動画を見てたのだから、ある意味根っからのニコニコ動画勢なんだな俺。

岡田斗司夫なる人物に対して良いイメージを持ってる方は少ないと思いますが、私は単純に彼の話が面白いから見てるだけです。この人が犯罪者であろうが人として最低な屑であろうが、面白ければ私は見ちゃう、それだけです。彼の言ってることが間違えていたりするのもまた面白かったりするのよ。進撃の巨人第一巻の解説で誰でも分かるとんでもない間違いをしてますが、まあ、それはそれで面白いじゃないですか。

 

そんな岡田斗司夫の動画の中で、山田五郎が始めたYoutubeが面白いと称賛しておりました。なんでもドラクロワの作品で何故女性が戦場でおっぱい丸出しなのか解説してる動画が面白いし勉強になった、的なことを言ってたんですよ。

戦場でおっぱい丸出し!実は私も昔から気になってたんです。これなんですけどね。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/a/a7/Eug%C3%A8ne_Delacroix_-_La_libert%C3%A9_guidant_le_peuple.jpg

ドラクロワ民衆を導く自由の女神』なる作品です。

私が最初に見た感想は「全く意味が分からない」でした。なんで戦場で女性が先頭に立ってるのか、んでなんでおっぱい両方ポロリしてるのか、そもそもなんでこの作品が評価されてるのか。

今まで様々な評価の高い絵画作品を本やテレビやネット上で見てきましたが、殆どの作品に対して「何が良いのか理解できない」状態でした。ゴッホのひまわりとかもさ、何が良いのか微塵も分からなかったし。だって下手じゃんこれ。寧ろ気持ち悪い。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/b/b4/Vincent_Willem_van_Gogh_128.jpg/800px-Vincent_Willem_van_Gogh_128.jpg

なので、私の中では「絵画は俺には分からないもの」「分かってる人達だけで楽しむもの」だと認識しておりました。

 

そんな私だったのですが、女性が戦場でおっぱいをポロリして最前線で旗を振ってる理由が分かるならと山田五郎Youtubeを見たんです。下の動画なんですけどね。

youtu.be

長年の謎が一発で解けました。

この絵の何が当時画期的だったのか、それまでの絵画はどうだったのか、さらにはフランスの歴史やロマンの語源等々、たった一枚の絵を解説しただけの動画なのに、その中には恐ろしいほどの情報量が詰まっていたんです。

事を知るにはまずそれまでの歴史を知らなければならない。こんな当たり前のことを失念していた自分が恥ずかしい。例えば、ゲームの歴史を知らない今の子供が「スーパーマリオブラザーズ」をプレイしたところで何が凄いのか理解できるわけがないのと同じことなんですよね。歴史の流れからその作品を見なければ分かる筈がないんですよね。

歴史の流れ、作者の生い立ち、世界情勢、絵画の現状等々、それらの情報を網羅した上で作品を見ると、今まで全く違うものが見えてくるんです。それを、山田五郎は教えてくれたんです。

 

それからというもの、私は山田五郎Youtubeで新作が配信される度に見続けました。その結果、「本物をこの目で見てみたい」と美術館へ赴くことになるんですよこの俺が。人間っちゃあ変わるものなんですねわからないものですね。

今の私の目標は、アンリ・ルソーの『夢』の実物を見ることです。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/c/c6/Henri_Rousseau_-_Il_sogno.jpg/1280px-Henri_Rousseau_-_Il_sogno.jpg

これ、ニューヨーク近代美術館に展示されてるのよね。いつか行くぜニューヨーク、って俺一回も海外に行った事ないんだけどね。

 

今まで全く興味も知識も無かった絵画ですが、50歳を前にして嵌まり込んでしまいました。今まで様々なジャンルに嵌まって来たけど、まさか絵画に嵌まるなんてなぁ。

そして、現時点で2か所の美術館を巡りました。実際の作品をこの目で見て、絵画の楽しみ方を一つ習得することが出来ました。正しい楽しみ方では無いのは分かっているのですが、楽しみ方は人それぞれ、私は私なりでいいでしょ?

最初に訪れた美術館が上野の東京都美術館だったのですが、何故行ったのか?何が良かったのか、どう感じたのか、その話はまた後程。