軽い気持ちで見た山田五郎のYoutubeチャンネルで絵画の世界に嵌まっております。アンリ・ルソーの回でこの「楽園のカンヴァス」に触れていたので軽い気持ちで購入したのですが、やはりベストセラー作品って面白いんですね。山田五郎のお陰でアンリ・ルソーを知っていたので尚更楽しめました。
ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンはある日スイスの大邸宅に招かれる。そこで見たのは巨匠ルソーの名作「夢」に酷似した絵。持ち主は正しく真贋判定した者にこの絵を譲ると告げ、手がかりとなる謎の古書を読ませる。リミットは7日間。ライバルは日本人研究者・早川織絵。ルソーとピカソ、二人の天才がカンヴァスに籠めた想いとは――。山本周五郎賞受賞作。
「ベストセラーは私が買わなくても売れてるので買う必要が無い」との信念で売れてる作品には手を出さない私ですが、そんなものはほんの少しの興味で吹き飛ぶ程度でした。ああ、読んで良かった。本当に面白い、さすが売れるだけはありますね(当たり前
山田五郎のYoutubeでアンリ・ルソーの作品を解説してる回を是非見て下さい。これで興味を持ったら是非読んで欲しいです。
絵画に対する知識が乏しかったので、「アンリ・ルソーは絵が下手糞だった」との解説は衝撃でした。そして、それでも後世に名を残す画家になる彼に興味が湧きました。この人が一番影響を与えた作家がピカソなんだぜ?そんなアンリ・ルソーにまつわる小説があることにも驚いたし、それが数年前にベストセラーになった「楽園のカンヴァス」であることにも驚きました。
さらに言えばこの作品がミステリー小説だったことにも驚きました。絵画を扱ったミステリー!新しいですね、非常に新鮮な気持ちで読むことが出来ました。知識が増えた段階で読めたから尚更楽しめたのかもしれません。
ミステリーとしても出来が良いです。しかし、それ以上にアンリ・ルソーを用いた作品としてとても楽しむことが出来ました。もしこの作品に興味を持たれた方は是非読む前に山田五郎の解説を入れて欲しいです。何の興味も無かった彼に、そして彼の作品に愛着が湧きます。その上でこそこの「楽園のカンヴァス」がより楽しめること請け合いです。
今の私には、表紙になってるこの絵がとても愛おしく感じます。
いつかニューヨークに行って本物を見てみたいなぁ。