まさか私の大好きな高橋由一をメインで扱う企画展が栃木県で行われるなんて!しかも鮭も来てるじゃん!パンフレットに鮭があったときに興奮したのは私だけでしょうか。・・・私だけかもしれないなぁ。
私が高橋由一を知ったのは毎度のことながら山田五郎のYoutubeです。
鮭。何度見てもリアルです。何も知らずに見ればただそれだけの絵なんです。誇張も飾り気も無い、ただただ鮭なんです。
でもこの鮭、ちょっと前までちょんまげ結ってた高橋由一が江戸時代が終わってすぐの明治初期に描いたものなんですよ。油絵の技術が日本に入ってきてまだ間もない頃ですからね。ちょっと前まで毛筆で日本画とか版画で浮世絵とかやってたんですから、これがどれだけ凄いものなのか分かってもらえると思います。
この画像の鮭は東京芸術大学大学美術館にあるものでして、重要文化財にしてされております。
ちなみに今回栃木県立美術館に来ている鮭は現在山形県立美術館所蔵の鮭です。もう一つ笠間日動美術館にもあるようでして、見比べるに後から描いたからなのかよりリアルになってる気がします。後で笠間に行って鮭をコンプリートするわ。
んで高橋由一の作品が宇都宮市美術館にもありまして、その作品を見てさらに好きになったんです。
「中州月夜の図」という作品なのですが、調べても画像が転がってなかったので紹介していた動画を貼っておきますね。見て頂けわかりますが、とにかく暗い、黒い、何が描かれているのか全然見えない。唯一の光源である月も雲で隠すし、水面に映る月さえ船で全然見えない。
こんな攻めたことを明治11年にやってるんだぜ?初めて見た時「由一尖がってるな!」と惚れてしまいました。ちなみにこの作品も今回栃木県立美術館に展示されております。ああ、多くの方に見て欲しいなぁ、本当に何が描かれてるのか全然見えないんだぜ?かっけーよ由一。
黒田清輝はもう少し後の人ですが、それでも明治時代にすでに西洋絵画の技術を身に付けてるのはやはり驚きです。そして明治30年あたりでこんなエロい作品を描いてる事にも驚きです。
それだけじゃなく他の作品も結構好きなんですよね黒田清輝。色彩が薄いというか薄光というか、ド素人なのでうまく表現できないのですが、もしかすると同じ日本人だからなのでしょうか、自分のどこかの部分に引っ掛かる、そんな感覚です。
そんな訳で私の大好きな高橋由一と黒田清輝の企画展、楽しめない訳がありません。本当に素晴らしい時間を過ごす事が出来ました。この二人を扱った企画展がそれ程縁のない栃木県で行われた事に感謝いたします。
そしてさらに今回、常設展にてニュースにも取り上げられた作品が展示されておりました。
まさかこの時代に絵画を購入するなんて!しかも結構有名なシスレーですよシスレー!このニュース動画でも触れておりますが、どうも栃木県立美術館にはイギリス好きがいるようですね。って私の中ではシスレーってフランス人だと思ってたんだけど。
展示して間もなかったからなのか、この作品のためのパンフレットもありました。
ポストカードもあったから購入しました。
アルフレッド・シスレー 冬の夕日(サン・マメスのセーヌ河)
ちなみに私にとってシスレーは「風景画ばかり描いて最後まで売れなかった作家」のイメージが強いです。調べたら大体合ってた。
栃木県立美術館は常設展も楽しめるのですが、シスレーが加わってさらにステージが上がった感があります。個人的にはターナーの存在が大きいわ。あと川上澄生。
もし興味がございましたら、何かのついでで良いので一度訪れて欲しいです。