猫舌であった私は20代後半までラーメンを好んで食すことがありませんでした。ラーメンが美味しいお店に行っても定食があればそちらを頼むぐらい。美味しいとかの前に熱くて口の中に入れられないし、そんな気持ちで食べたところで味なんて分からないし、ある程度冷めたころには麺は伸びてるし。
そんな私が仕事上止む無く食すことになったとあるラーメン屋の一杯で、その苦手意識が吹っ飛びました。そのお店は佐野にある森田屋です。
佐野市がラーメンを推していこうとしていた頃で、個人的にはラーメンで観光客なんて来るのかよと懐疑的な気持ちでした。このお店に仕事上の付き合いの方に連れてこられた時、お店の外観的に定食屋だろうと思いラーメン以外を頼もうと思っていたらメニューを見てびっくり!中華そばとチャーシューメンしか無かった!ラーメンしか無いのも驚きだけど醤油とか味噌とか塩とかそういうのも無いのかよ!とその心意気に驚かされました。
あぁまた口の中やけどするのかやだなぁと思いながらラーメンを注文、鬱々とした気持ちで連れてきてくれた方と上の空で会話しつつ待ってました。その時ふと思ってたんですよね、ラーメンしかないのに駐車場は広いわ店内も広いわ客も入ってるわ、もしかしてここ人気のお店なのかなぁ、と。
暫くして運ばれてきたラーメンは、普通のラーメンでした。
見た目普通だし口の中をやけどするだろうしで期待せずにというか寧ろネガティブな気持ちで、とりあえず麺を掬い上げ必要以上にふーふーと冷ましてから恐る恐る口に入れてみました。
うまい。
ある程度加齢したことにより猫舌がある程度克服されていたこともあったのかもしれません。必要以上にハードルを下げていたからかもしれません。
とにかくうまい。
あまりラーメンに接することが無い人生を送ってきたので、何が入っていてどれがどうなのか全然分からないけど、とりあえず美味しい事は分かりました。麺も今まで知らない食感で、このいびつな形の麺がスープに絡みやすいことぐらいは分かりました。
気が付いたらドンブリの中に麺が残っていませんでした。
ラーメンは美味しい物なんだな、と30歳手前で知った私。その後も森田屋でラーメンを食すも、ある疑問が生じてきました。もしかしてラーメンが美味しいのではなくて、この森田屋のラーメンが美味しいのではないか?
その疑問を解消すべく、ネットで調べて人気のある栃木県のラーメン屋を訪ねるのですがその話はまた後で。
と思ったのだけど結論だけ書いておきます。
森田屋のラーメンが美味しかっただけでした。
ただこれは私個人の感想で有り、その要因として
・私にとって森田屋のラーメンがファーストインパクトであり強烈だった
・当時流行し始めていた魚粉系が当時の私には合わなかった
・家系は私にはしょっぱかった
・しょうがを入れたらしょうがの味しかしないじゃんと尖ってた
・猫舌が若干改善されていたものの、毎回口の中をやけどしていた
などが考えられます。
そして、結論が出たことで、気が付いたら私の中のラーメンブームはわずか数か月で終焉を迎えることになりました。
そしてあれから20年、再び私の中でラーメンが話題に。
G系と家系の違いって何なの?ってどうでもいい疑問から生じたこのムーブメント。まさか私が朝ラーとかやるなんて思っても見なかったよ!
AFURIに行った時の事をブログに書いたらそのAFURIからツイッターでリツイートされてビビり、もしかしてラーメン界隈ってSNSとの親和性高いの?私の知らない暗黙のルールとかあるの?と驚き慄いておりましたが、やはり内部記憶媒体だけでは欠落していくだろう外部の記憶媒体に残しておこうと思いなおし、ちょこちょこと訪れたお店をこのブログに書いておこうと決断しました。
現在のところ10店舗以上で食しておりますが、とりあえず分かったことは食べログ等の評価は当てにならない!ってことです。店員の態度?清潔感?そんなの関係ねぇ!ラーメンが美味けりゃいいんだよ!
美術館を巡りながら近くのラーメン屋を探すなんて行動を私がするなんてなぁ、人生は分からないものですね。