何故この本を購入したのか?全く記憶にないのですが、ずっと積んであったこの本を読んで本当に良かったです。いつ頃の俺か分からないけど購入していてくれてありがとう!
人生は苦。世の中は諸行無常。でも、「そこがいいんじゃない!」と唱えれば、きっと明るい未来が見えてくる。住職を夢見ていた仏像少年時代、青春という名の「荒行」、大人になって再燃した仏像ブーム。辛いときや苦しいとき、いつもそこには仏教があった。グッとくる仏像、煩悩まみれの自分と付き合う方法、地獄ブームと後ろメタファー、ご機嫌な菩薩行……。その意外な魅力や面白さを伝える、M・J(みうらじゅん)流仏教入門。
若い頃に軽く仏教について調べたことがあるのですが、仏陀さんの有難い教えが時代や地域を経て原型を留めていないぐらい変形してしまって日本に定着していることを知り、なんだかいい加減だなぁという印象でした。鬼子母神とか帝釈天とか元々別の宗教の神様だったり、お経を中国語に訳したものを日本語読みで唱えてみたり、小乗とか大乗とか。
京極夏彦「鉄鼠の檻」を読み禅に興味を持ったりもしたのですが、どこかで宗教全般に対する不信感があったのでしょうね、あまり深く調べたりしませんでした。
そんな私が何故この本を購入したのか?おそらく山田五郎からの流れなのだろうと思うのですが、兎にも角にも、読んでみて仏教に対する考え方が変わりました。そういう解釈で良いのか!その解釈だと私にもわかる!とニヤニヤしながら気が付いたら完読しておりました。
みうらじゅんの半生と共に仏教の説明をしている構成になっており、帯に書勝てている通り正しく「みうらじゅん流仏教入門」となっております。これを読んで仏教に少しでも興味を持ってくれればいいなぁ、という著者の思いも感じられます。
私に刺さった言葉を紹介いたしますね。
ポジティブに「あきらめる」
自分探しではなく自分なくし
「いや、~」「でも、~」と言わない
「なんでこの俺が」という禁句
そして私が一番深く刺さったのがこちら。
「比較三原則」
他人と過去と親。この三つと自分を比較してはいけないのです。
私のストレスの原因はこの比較なのかもしれない、と思い至りました。比較して苦しい気持ちになった時どうすればいいのか?みうらじゅんは「そこがいいんじゃない!」と思う様にしてるそうです。私はその域まで達しておりませんが、いつか辿り着けるよう、常にこの言葉を胸に刻んでおこうと思いました。
物語としても面白く、仏教に興味を持てるこの作品、私はオススメいたします。