鹿沼の隅っちょから

鹿沼の隅っちょから

「鹿沼」でググった時に1ページ目に表示される事を目指していたのに鹿沼の事全然書いてません

よく考えると20年以上も続いてる飲食店ってそれだけでも価値があると思った

今から20年以上前、特に考えも無しに外回りの営業職に就いた私。

取引先を回って要件を聞いてくるだけの簡単なお仕事だと聞いていたのに、蓋を開けてみたらどこに行っても要件なんかないし忙しいとすぐに追い返されるし、その癖毎月売上が足りないと怒られるし、挙句新規案件を探して来いと飛び込みをさせられる始末。3か月掛からずに騙された事に気が付きました。

それでも、すぐに辞めてしまうのは格好が悪いと思い自分なりに頑張ってみたものの、上司から「あと一週間で200万売ってこい」と言われた瞬間に何かが切れました。とりあえずクビになるまで給料泥棒をやろう、そう決めました。

栃木県北部が担当だった私。とりあえず朝会社に来てから営業車で外に出て、はて今日は何をして時間を潰そうか、と思案する毎日。今思えばすぐに辞めて違う仕事を探していた方が良かったのだろうなぁと思いつつも、この時の経験はそれはそれで楽しかったとも思っていたりして。

潰れたディスコ跡地がマンガ喫茶になっていて、そこで時間を潰すこともありました。奥で爺さん達が将棋を指しているのを見て歳取ったらこういう仲間が欲しいなぁなんて思ったものでした。結局このマンガ喫茶も潰れてしまい、あの爺さん達は他に集える場所があるのだろうか、と心配したりしました。

そんな不良社員であった私が一番足蹴く通っていたお店があります。見た感じオシャレで数多くのメニューを誇る洋食屋さんです。ほぼ毎日ここでお昼を食べていました。勿論どれを頼んでも美味しいしリーズナブルな料金だしお店の雰囲気も良いのですが、一番の理由は圧倒的なマンガの量だったりします。天井近くまである棚にぎっしり詰まったマンガの単行本を、毎日訪れては貪りまくっておりました。店員が少ない割に店内が広くまたお客さんも多いので注文してから出てくるまで時間が掛かる傾向があるものの、マンガを読みたい私には逆にその時間が有難かったんです。

 

所用で大田原に数時間待機しなければならなくなりました。はて何をして時間を潰そうかと考えていた時に、そのお店を思い出しました。ああ、懐かしい、今もやってるのだろうか?と調べてみましたら変わらず営業しておりました。

www.tochinavi.net

当日、11時開店と同時に訪れ、よく頼んでいた豚キムチを注文、じっくりと食しながら、約20年前と変わらないお店の雰囲気を堪能しました。豚キムチって今でこそ当たり前な料理ですが当時は珍しかったんですよ、多分。昔はお皿に盛ってあったのですが、今は鉄板になってました。

当時はこんなにボリューミーじゃなかった気がする。

相変わらずマンガは豊富にありましたが、置いてある作品は大きく変わっておりました。最近のもあったのでちょこちょこ入れ替えてるのでしょうね。

 

約20年前を思い出しつつ豚キムチを食べる私。当時の私と今の私は大分変りました。結婚したし仕事も変わったし子供もできたし。しかし、一番変わったことは辛い物が苦手になってしまった事かもしれません。気が付いたら頭から汗が滝のように流れてきて困りました。次は違うものを注文しようそうしよう、と久方ぶりに訪れたお店でどうでもいいことを思ったアラフォーのオッサンでした。

23歳だった俺は、50歳近い今の俺をどう見るのだろうか。当時想像した未来と違うだろうなぁ、ってよく考えたらその頃先の事なんて何も考えてなかったわ。