私がネットを巡回している理由の一つに、「通常では知りえない情報に出会うため」があります。長年生きていると好きな対象物への情報取得スキルは向上しますが、新しいものや別のジャンルなどの情報には疎くなっていきます。
なので私の知らない情報が集まりそうなサイトを巡回してるのですが、その中で気になったのが津軽弁の魔術師の話でした。
そしてこの作者、別の作品ですでにプロデビューしてると知り、すぐに購入したのがこの作品です。
『その慈愛や知識で民を救い、心の拠り所になりなさい』
先代の聖女の言葉を守り、
必死に知識を磨いてきた次期聖女の令嬢・アリシア。
その努力も虚しく、突然双子の妹に立場も婚約者も奪われてしまう。
手元に残ったのはぼろぼろの農学書だけ。
失意の中、遠い辺境の婚姻話に乗れば、美貌の令息ロランから領地の再建を頼まれて……!?
蜂蜜づくりに幻の薬探し、荒れた農村の立て直しで悪魔のリンゴの売り込みと、我が道を邁進!
奔走する泥まみれの少女の下には、篤農家の村長、元冒険者、隣国の凄腕商人、農民たちが集いはじめる。
一方、王国では大飢饉の徴候が出始め――。
愚直に生きる農強令嬢が、圧倒的な農業知識で国を救っていく聖女誕生ファンタジー!
1巻ですでにコミカライズ化決定してるって凄い評価が高いですね。
内容的には割と良くある俺ツエー系です。圧倒的な知識で劣悪な状況を変えていく、今流行りのノンストレスストーリーです。食糧危機をじゃがいもで克服するのもこの手のジャンルでは使い古されたパターン。
評価されるべきはおそらく裏で進行する大きな物語性なんですかね。同じようなジャンルである『薬屋のひとりごと』も一つ一つのエピソードは典型的な俺ツエーなのですが、大きな物語がその都度進んでいき怒涛の展開になっていくのが評価されてると思いますので。
この作品もその大きな物語性に期待が持てる設定でした。力も知識も無いのに聖女になった妹、主人公に苦手だった母親を感じて拒絶してしまった王子、主人公が嫁いだ先が辺境の地等々。そこかしこに様々な仕掛けがあるなぁとニヤニヤしながら読んでました。
この作者、只者では無いと感じてます。