鹿沼の隅っちょから

鹿沼の隅っちょから

「鹿沼」でググった時に1ページ目に表示される事を目指していたのに鹿沼の事全然書いてません

返校 影集小説  李則攸 巫尚益

ニンテンドースイッチにてゲームをプレイしてから戦後台湾の歴史を知りました。若い頃台湾出身の方とお話をした時に「内省人」「外省人」なる単語を知り、学校で習った蒋介石や国民党は思ってる以上に近い過去なんだなと思ったのですが、それをこのゲームは思い出させてくれました。

その続きに当たる作品だと知り読んだのですが、どうしてだろう、思う様に文章が頭に入ってこなくて困りました。

www.kadokawa.co.jp

劉芸香(リョウ・ユンシャン)は台北から工芸の金鸞(ジンラン)に引っ越してきた女子高生。転校先の翠華(ツェイホア)高校は、時代錯誤の校則を守る学校だ。
ある日、旧校舎・涵翠樓(ハンツェイロウ)に入った彼女は、生徒の自殺を目撃する。そこは30年前に方レイ欣(ファン・レイシン)が飛び降りて以降、封鎖されており、校則を破ったとして、クラスで除け者になってしまう。
ある女生徒に声をかけられ心が通じ合う中で、自分の価値を見いだしていく芸香だったが、女生徒の囚われている過去を知り――。戦慄の台湾ホラー!

基本的に台湾の文化をあまり理解していないので今一つ理解できない部分が出てきます。それはゲームでもありましたが、そんなのは織り込み済みなんですよ。ここまで読むのに苦労した最大の原因は、恐らく翻訳のレベルの低さなんだと思われます。文章としては特に問題がないような気がするのですが、全体として読み進めていくとあれ?と思う箇所がところどころ出てくるんですよ。翻訳者が自信がないのか長文を無理やり短くしてる気もしました。読点が多すぎるあたりも翻訳者のレベルの低さが見て取れます。

それでも、日本ではあまりなじみの薄い台湾の文化に触れることができるこの作品は存在意義があります。インディーゲームが話題になって映画化やネットフリックスでドラマ化したのだから、その原作の持つパワーは本物なんです。

興味を持たれましたら、是非ともゲームをプレイして欲しいんです。日本人には馴染みの薄い「自由」の意味が分かるかもしれません。

youtu.be

toriid.hatenablog.com

ジャンル的にゲームも小説もホラーになってるます。怖いのは怖いんだけど、幽霊とかグロとかの怖いじゃないんです。人としての、時代としての怖さなんです。それがこの小説で伝わるのか。やはりゲームをプレイして欲しいなぁ、ってゲームはゲームで万人受けする作りじゃないのがまた難点なんですけどね。