ニンテンドースイッチのゲーム『Into the Breach』はマス目の上で戦うのだけれども敵の行動が分かってる上でこちらの行動を選択するという斬新な設定で一手間違えただけで敗北の可能性があるぐらいシビアで刺激的な傑作だったよ!
配信日 2020年9月18日
メーカー Subset Games
ジャンル ストラテジー
価格 1,620円
ストラテジーゲームが好きで上に貼りましたIndie Worldの紹介動画を見て興味を持った方ならば、是非この作品に触れて欲しいです。人を選ぶし、誰でも楽しめる難易度ではありませんが、私はゲーム史に名を残す傑作だと思っております。
面白さ
アクションゲームが苦手だった私は、ファミコンウォーズやファイアーエムブレムや三國志や蒼き狼と白き牝鹿が大好きでした。昔はこれらのジャンルをシミュレーションゲームと言っていたのですが、今ではストラテジーゲームと言うようです。
勝利のために熟考して計画を練ることに焦点を置いたもの。
日本においてストラテジーゲームはシミュレーションゲーム (SLG) のサブジャンルの一つとみなされており、ウォー・シミュレーションゲームとほぼ同じ意味合いで用いられている。一方、欧米ではストラテジーゲームとSLGは別のものとして扱われる傾向がある。
あ、日本と海外で意味合いが違うのか。でもInto the Breachに関しては、「勝利のために熟考して計画を練ることに焦点を置いたもの」がドンピシャなので私の中ではストラテジーゲームとします。
だって本当に考えて悩んでもがき苦しみながら1ターン1ターン決断しながら進めるゲームなんては初めてだったんだもの。ファイアーエムブレムだって結構悩みながらユニットを動かしてたつもりだったのですが、Into the Breachをプレイしたらまだまだ甘かったんだなというか今までテキトーにやってたんだなぁと驚きました。そのぐらい難易度が高いんです。
でも、ただ単に高いだけでは無いんです。熟考してる内にすべての懸念材料を払拭できる一手が思いついたりするんです。その時に溢れ出す脳汁の気持ち良さと言ったら!
詰将棋に似てると言う方もいらっしゃいますが、Into the Breachは5ターン生き抜ければクリアなので読んでも3手先ぐらいですし、詰将棋ほど先を読む必要が無いんです。
例えば下の画像。
自機が1体敵にに拘束されており、このままだと動くことが出来ずに攻撃を受けてしまいます。赤い敵と茶色い敵は電力を攻撃しようとしております。自機が3体で囲んでいる四角いユニットを守りながら電力を守りながら自機が壊されないように行動しなければならないんです。ちなみに溶岩っぽいマスは落ちたらダメージを喰らい、黄色い模様のマスは次のターンに溶岩のマスになります。
この状況を自機3体の武装や移動距離、攻撃後の敵の状況等々を考えて、すべてをクリアできる行動を考えるんです。ってこの状況は比較的簡単にクリアできるんですけどね。クリアした後の状況がこちら。
遠距離攻撃を装備してて良かった!と当時は思ってただろうなぁ。無かったら電力が1つ破壊されてましたね。
ただこのあと敵が2体湧いてくるのですが、はてどうやってこの局面を切り抜けたのだろうか俺。
・8×8の狭いマップ
・1ステージ5ターンのみ
・自機が3体
・敵の次のターンが提示されてる
これらの要素がテンポ感を良くし、リプレイ性も高め、詰将棋感が強くなり、さらに絶妙すぎるバランスが相まって、ゲームとしての面白さが恐ろしく高くなったと思います。
操作性
斜めのマス目に抵抗がありましたが、特に問題もストレスも無く操作できました。UIも無駄がなく分かりやすい方です。
元がPCなのでマウス操作前提の構造なのですが、コントローラーでもストレスなく操作できるよう落とし込めておりました。
グラフィック
見た目ドット絵ですしマップも狭いしショボいと思われるでしょう。
でも、面白さにグラフィックってそんなに重要なのでしょうか。熱中してプレイしていた時、私はこのグラフィックに何の疑問も不安も不満も発生しませんでした。寧ろこれで良いとさえ思います。
この画面がフォトリアルになったとして、面白さが増すことがありますかね。
こんな項目を設定しておいて何なのですが、私の中でグラフィックへの重要性はかなり低いです。
サウンド
全く記憶に残っておりません。集中して考えてる邪魔にならない程度のBGMが流れていたのかも?
リプレイ性
条件を満たして各実績をクリアするとコインが貰え、それを使用することにより新しい部隊が使えるようになったりします。これを目指すだけでもリプレイ性が高まります。
が、そんなの関係なくリプレイをし続けてしまう中毒性がこの作品にはあります。こりゃあ無理だなと思える場面でもふと打開できる一手を思いついたりしちゃうんですよ。その時の全能感と言ったら!脳汁が出て気持ち良すぎます。その快楽を求めてまたプレイしちゃうのよねぇ。
ただ、毎回そんな一手を思いつく訳でもないので、どうしようもなく全滅した時やミスをした時は自分への無能感に苛まされます。
難易度が選べるので自分に合ったモードでプレイすればいいんですけどね。私の場合はノーマルでやや物足りなくなったのですが、ハードは全く歯が立たちませんでした。俺下手なんだなこの手のジャンルも・・・。
感想
オートセーブですので1手さえも取り消すことが出来ません。考えに考え抜いて選択していかなければなりません。その高い緊張度は今までのゲームでは感じたことが無いほど高いものです。そしてそれらをクリアした時の達成感。堪りません。
そこに、狭いマップ、少ないユニット、短いターン数とテンポを良くするための要素の高まりのようなゲームデザイン、リプレイ性の鬼ですよ『Into the Breach』は!
ただ、難易度は相当高いです。高いからこそクリアした時の全能感が半端ないんですけどね。各実績も結構無茶なものが多くてコンプリートするのは相当しんどいです。私は断念しました、ってハードでクリア出来てない段階で無理だろうけどな!
1手1手熟考するのでプレイ後に疲労感があったりしますが、私は現段階でのストラテジーゲームで最高な作品だと思っております。元々が人を選ぶジャンルですが、興味を持った方は是非プレイしてみて下さい。見た目とか関係なく本当に傑作ですから!
評価
良い点
・一手一手の緊張感
・クリアしたときの全能感
・テンポの良さ
悪い点
・それでも高い難易度
・しんどいミッション
・プレイ後の疲労感
評価
10/10