鹿沼の隅っちょから

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最後にして最初のアイドル 草野原々

以前購入した『トランスヒューマンガンマ線バースト童話集』の影響でしょうか、ヨドバシドットコムにてSF小説がおすすめに出てくるようになりました。そのラインナップの中でタイトルだけで興味を持ち思わず購入してしまったのがこの作品、『最後にして最初のアイドル』です。

帯に書いてある「百合はじめました。」の一文がどうしても私の知ってるハヤカワ文庫と馴染まず、そもそもSFで百合でアイドルってどんな話なんだろうかと読み始めたのですが、私が思っていたのと全く違うとんでもない方向へ光の速さでぶっ飛んでいくストーリー展開に脳の処理が追い付かずクラクラしながら完読いたしました。

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地獄のような世界を生きる彼女たちが目にした、アイドルの最終局面とは――?著者自ら「実存主義ワイドスクリーン百合バロックプロレタリアートアイドルハードSF」と名付ける、「神狩り」以来42年ぶりにデビュー作で星雲賞を受賞した表題作のほか「エヴォリューションがーるず」「暗黒声優」の二篇を収録。

最後にして最初のアイドル (ハヤカワ文庫JA)

最後にして最初のアイドル (ハヤカワ文庫JA)

 

表題「最後にして最初のアイドル」ですが、主人公がアイドルを目指すところから始まりました。しかし、ものの十数ページで主人公死にます。なんだこれ。

そこからの展開は私の想像を軽く凌駕したとんでもないものでした。

アイドルものじゃなかったのかよ!百合じゃなかったのかよ!と思いながらも、読んでいるうちに確かにアイドルものだわな確かに百合ものだわなと思いなおしました。が、全然納得できてない私がおりました。

作者はこの作品を「実存主義ワイドスクリーン百合バロックプロレタリアートアイドルハードSF」と謳ってるそうですが、うん、間違ってない気がしないでもないようないやどうなんだこれ。

あまりSFに詳しくないのですが、ここまでぶっ飛んだストーリーはこの作品が初めてだったので衝撃でした。

 

「エヴォリューションがーるず」はソシャゲのガチャに嵌まった女性が主人公なのですが、これまたページを捲るごとに変化していく世界に脳が付いていきませんでした。なんだこの壮大で広大で尊大な物語は!

この世の理はガチャだったのかと悟りを開いた気持ちになりました。

 

「暗黒声優」に至っては最初から設定がぶっ飛んでいました。想像も妄想も願望も出来ない状態でストーリーは立体的なねじれの位置へ加速度的に吹っ飛んでいきます。もうなんだこれ。最初から最後まで「俺、何を読んでるんだっけ?」と戸惑ったままでした。

 

ネタバレなしでこれらの作品を語るのは限界があるというか、無理ですね。私が今まで読んできた如何なる作品と比べても飛びぬけた存在となりました。ライトノベルを貪っている時に出会った『紫色のクオリア』以来の衝撃でした。

紫色のクオリア (電撃文庫)

紫色のクオリア (電撃文庫)

 

 

3篇の作品を読んだ後、解説を読んで驚きました。まさか「最後にして最初のアイドル」がラブライブ!の二次創作だったなんて!しかもとりあえず誰が好き?と聞かれたらにこ先輩と答える程度に好きな私ですが、そのにこ先輩が主人公だった!

http://www.lovelive-anime.jp/otonokizaka/img/member/member09_detail.png

アニメオタクにしてSFオタクが重なって最強に見える。

そうか、こういうありえない組み合わせから新しい作品が生み出されていくのか、と本気で感心してしまいました。

そういえば『スタートボタンを押してください』もゲームとSFの融合だわ。

スタートボタンを押してください (ゲームSF傑作選) (創元SF文庫)

スタートボタンを押してください (ゲームSF傑作選) (創元SF文庫)

 

まだ誰もやったことのないジャンルの組み合わせが狙い目かもしれませんね。

ちなみに、私個人としてはファンタジーとミステリーの組み合わせが流行ると思っていたのですが、今現在全然そんなことにはなってませんね。山形石雄六花の勇者』や米澤穂信『折れた竜骨』で流行ると思ったんだけどなぁ。つか六花の勇者、新刊をまだでしょうか(絶望感

 

この作品、SFに詳しい方は元ネタが分かってニヤニヤしながら楽しめると思いますし、私のようなSFにあまり触れたことが無い人もとんでもない展開にクラクラしながらも楽しめると思っております。

歴史ものとかミステリーものとかそういうジャンルしか手を出してない人こそ、私はSFものに踏み込んで欲しい、そう思ってしまいました。だってすげーんだものSF!ライトノベル以上のなんでもあり感が私には刺激的でたまんねーっす。