鹿沼の隅っちょから

鹿沼の隅っちょから

「鹿沼」でググった時に1ページ目に表示される事を目指していたのに鹿沼の事全然書いてません

アニメ『虫かぶり姫』は一見恋愛モノだけど実は俺ツエーフォーマットを使用した無双系作品

私は少女漫画および少女向けライトノベルをリスペクトしております。少年漫画および少年向けライトノベルよりも物語性が高くそして緻密、すべてにおいてレベルが高い、そう思っております。そしてそのアニメ化となると、得てして面白い作品が生まれる確率が高くなるのですが、この「虫かぶり姫」も思った通り素晴らしい作品でした。

https://cs1.animestore.docomo.ne.jp/anime_kv/img/25/78/8/25788_1_1.png?1665711008039

mushikaburihime.com

侯爵令嬢のエリアーナは幼い頃から本に夢中で、ついたあだ名が「本の虫」ならぬ「虫かぶり姫」。そんな変わり者の姫に、王太子であるクリストファーはこう告げる。

「私と婚約してほしいんだ」

婚約によってクリストファーは宮廷内の派閥争いから解放され、エリアーナは王太子の婚約者として王宮書庫室への出入りを許される。これは、お互いの利点のための“名ばかりの婚約”……のはずだった。

4年の歳月が流れたある日、エリアーナはクリストファーが子爵令嬢アイリーンと仲睦まじく語らう姿を目撃してしまう。ついに婚約解消の時が来たことを覚悟するエリアーナ。だが、その心には複雑な想いが交錯していた……。
本好き令嬢の勘違いラブファンタジーエリアーナとクリストファーの“本当の恋”の行方は――!?

youtu.be

フォーマットは俺ツエーなんです。そこにどのようなエッセンスを振り掛けるかで物語の味付けが変わります。少女向けは王子に惚れられるのが殆どですね。んで何故惚れられたのかの理由付けがその作品の特徴になりえるのですが、得てして多いのが所謂「おもしれー女」です。貴族らしからぬ振舞いとか媚びないとかですね。この作品ではそれが「本好き」になります。

しかし、この作品はこの「本好き」を惚れられた原因だけに止めません。その知識が政治や外交等々に波及していくところが更なる俺ツエーに繋がり、様々な問題を無双していきます。しかもこの主人公、無自覚なんですよね。ここらへんも最近のなろう系の流行に乗ってるかもしれません。

恋愛要素だけでは様々な物語を消費してきたオッサンを面白いと感じさせるのは難しいでしょうが、逆に他のファクターが付け加えられると「独自性が素晴らしい」と簡単に落ちます。その典型的な作品ではないでしょうか。

へそ曲がりの天邪鬼なおっさんである私をコロっと落とした「虫被り姫」、興味が湧きましたら是非視聴してみて下さい。オススメです。私が単純にチョロい可能性もあるんですけどね。

薬屋のひとりごと11 日向夏

伏線、そして回収。

それが鮮やかに決められた時、私は言いようの無い興奮を覚えます。そしてその伏線をいつ思いついたのか、途中で当てはめたのか、最初からそのつもりだったのか。そういうことを妄想しながらニヤニヤしてしまいます。そして、まさかそのニヤニヤがこのシリーズでも味わうことが出来るなんて思いもしませんでした。ありがとう日向夏

herobunko.com

戌西州を襲った大蝗害。
過去の蝗害を知る者は少なく、人々は混乱する。西都や国境近くでも、食糧の強奪や暴動が頻繁に起きていた。猫猫は何もできない自分を歯がゆく思いつつも、できる限りのことをやっていた。
それは中央からの客人である壬氏も同様で、身の安全のためという名目の軟禁生活を強いられながらも、蝗害を予見していたことで、中央からの支援物資を早く受け取ることができた。だが、その手柄は壬氏ではなく西都の領主代行・玉鶯のものとして扱われてしまう。手柄の横取りに猫猫は腹を立てるが、当の壬氏はどこ吹く風で、皇弟という立場を最大限に利用して戌西州への支援要請を行う。
また、物資が不足する中、猫猫にさまざまな問題が火の粉となって降りかかる。謎の腹痛に苦しむ玉鶯の孫娘。変人軍師・羅漢が連れてきた棋聖と呼ばれる老人。同僚の医官・天祐の奇行。そして、消息不明だったあの人が帰ってくる⁉
一方、西都では皇弟に対する不満が高まっていく。蝗害による飢えや病に苦しむ民衆は、とうとう皇族である壬氏へ怒りの矛先を向けることに。守り支えていたはずの民衆に恨まれてしまった壬氏の決断は?不審な動きを続ける領主代行・玉鶯の狙いとは?そして、猫猫は無事、危機を脱することができるのか?

公式HPに「面白さ絶対保証。怒涛のクライマックスに刮目せよ!」なんて書かれてまして「おいおいそりゃ盛り過ぎだろというか公式がこういう単語を使用していいのかい?」なんて不安で不審で不信な気持ちになったのですが、読み終わった今「書きたくなる気持ちも分かるわぁ」となっております。

なんだこの鮮やかでとんでもない規模の伏線回収は!!

このシリーズを読み続けていたのはこの11巻を読むためだったのかもしれません。そのぐらいの衝撃でした。そしてさらに言えば、この先もこのレベルの衝撃が続いていきそうな予感さえ漂ってることにも驚いております。このシリーズってこんなに凄い代物だったっけ?出来のあまり良くないミステリー風ライトノベルだけど読んでいて疲れない程度だと思っていたのですが、私の中でこの11巻で完全に評価が覆りました。

これは凄い。

この展開を最初から考えていたのか、それとも序盤からなのか、ここ最近思いついたのか。どれにしてもやはり凄い、凄いとしか言いようがない、褒めたいのに私に適切な言語化できる能力が無い。

兎にも角にも、私は日向夏なる作家さんにごめんなさいしなければならないのは間違いありません。今まで申し訳ございませんでした。今、私の中であなた様は最高な作家の一人となりました。

ああ、次巻をすぐに読みたいわ。

アニメ『後宮の烏』はしっかりした原作を丁寧にアニメに落とし込んだ素晴らしい作品

週刊少年ジャンプを読み漁っていた頃、妹の読んでいた少女漫画を何気に手に取り目で追っているうちに驚愕しました。なんだこのちゃんとした物語進行!って。当時の少年向け漫画って行き当たりばったり系が多かったし、ただただ戦闘シーンの羅列ばかりだったからさ。そんな訳で私の中で女性向け作品はちゃんと物語してるって印象があるのですが、この後宮の烏も本当に素晴らしい物語でした。

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kokyu-anime.com

後宮の奥深くに住んでいる、妃でありながら夜伽をしない特別な妃・烏妃。
その姿を見た者は、老婆であると言う者もいれば、少女だったと言う者もいた。
烏妃の名は寿雪。
彼女は不思議な術を使い、呪殺から失せ物さがしまで、何でも引き受けてくれるという。
時の皇帝・高峻は、ある依頼のため寿雪の元を訪れる。
二人の巡り合わせは、歴史をも覆す「秘密」を暴くことになる……。

youtu.be

物凄いざっくり言えば、幽霊が出てきて原因を探り出してそれを解決しながら、大きな物語がゆっくりと進んでいく、そんな展開です。しかし、その一つ一つが非常に丁寧に作られております。とにかくすべてにおいて完成度が高い。その根幹をなすのはやはり原作力なのだと思います。

原作が面白ければアニメ化したって面白い筈なのですが、そう簡単ではないんですよねぇ。「惑星のさみだれ」とか「チェンソーマン」とかアニメ版は酷評しか聞こえてこないしね。

なので、制作会社および監督さんの力量も素晴らしいのだと思います。って制作会社のBN Pictures って知らないわと調べたらバンダイナムコピクチャーズでした。

バンダイナムコピクチャーズ - Wikipedia

元々サンライズなのか!そりゃあ仕事きっちりだわ。しかも監督の宮脇千鶴って銀魂の監督やってるやん。

宮脇千鶴 - Wikipedia

やはり良い作品には良いスタッフがいるのですね。

 

私はアニメを物語として見る傾向が強いので、原作がしっかりした、そしてそれを完璧にアニメに落とし込んだこの作品を非常に評価しております。派手な展開もドキドキもワクワクも無いので人を選ぶとは思いますが、私は本当に楽しめました。

ちなみに、主人公の彼女ですが稀に物凄く可愛らしい表情を見せたりしますので、萌え系が好きな方にもオススメできます。やはり尊さはギャップから生まれるのですな。