鹿沼の隅っちょから

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名画で読み解く ハプスブルグ家12の物語 中野京子

元々世界史好きで絵画に興味を持ったのだからここら辺も手を出しておこう、とミーハーな気持ちで購入しました。ハプスブルグ家お抱え画家が忖度して書いてるんだろ?と思ったらちゃんと正確に描いていて、しかもそれを寛容に受け入れる王様方。それを知っただけでも楽しめた一冊でした。

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スイスの一豪族から大出世、列強のパワーバランスによって偶然ころがりこんだ神聖ローマ帝国皇帝の地位をバネに、以後、約650年にわたり王朝として長命を保ったハプスブルク家

常にヨーロッパ史の中心に身を置きながら、歴史の荒波に翻弄され、その家系を生きる人物たちの運命は激しく揺さぶられ続けた。血の争いに明け暮れた皇帝、一途に愛を貫いた王妃、政治を顧みず錬金術にはまった王、母に見捨てられた英雄の息子、異国の地でギロチンにかけられた王妃――。

過酷な運命と立ち向かい、また定めのまま従容と散っていったヒーロー、ヒロインたちは、どこまでも魅力的。彼らを描いた名画に寄り沿い、その波瀾万丈の物語をつむぐ。

ちなみにハプスブルグ家は血が近すぎて受け口としゃくれ顎が強く遺伝されてしまいます。デューラーは忖度してあまり描いてないのにその後の画家は思いっきり書いてるのよね。お陰で後世にまでその異常さが伝わったのですが、本当に酷いんですわ。カール5世なんて受け口過ぎて常に口が開いてたなんて記録に残ってるぐらい。Wikiにあったので貼っておきますね。真ん中の黒い帽子の子が若かりし頃のカール5世だそうです。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/d/d4/Bernhard_Strigel_003.jpg/800px-Bernhard_Strigel_003.jpg

やべぇよハプスブルグ家。

通して読むとやはりアンチンボルトの異常性が際立ちますね。あの時代に時の皇帝を野菜で表現するとか意味わかんねーしそれを許したルドルフ2世も意味わかんねーわ。ただただ驚きです。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/b/b5/Vertumnus_%C3%A5rstidernas_gud_m%C3%A5lad_av_Giuseppe_Arcimboldo_1591_-_Skoklosters_slott_-_91503.tiff/lossy-page1-800px-Vertumnus_%C3%A5rstidernas_gud_m%C3%A5lad_av_Giuseppe_Arcimboldo_1591_-_Skoklosters_slott_-_91503.tiff.jpg

世界史の物語として面白いし、絵画の説明的にも面白いし、このシリーズが売れた理由が分かりました。調べたらブルボン王朝ロマノフ家イギリス王家プロイセン王家とあるのね。まだまだ楽しめそうです。