鹿沼の隅っちょから

鹿沼の隅っちょから

「鹿沼」でググった時に1ページ目に表示される事を目指していたのに鹿沼の事全然書いてません

彩菊あやかし算法帖 青柳碧人

私が好きな作家さんの一人である青柳碧人さんのまだ手を出してなかったシリーズもの。と言っても2冊しか出てないので手を出さなくてもいいかなぁと思っていたのですが、中々『浜村渚の計算ノート』シリーズの新刊が出てこないので、数学ミステリー要素を補充するために購入しました。

結論から言うと、これはこれでありのレベルを超えた楽しさでした。寧ろなんで2冊で止まってるんだよ。

www.j-n.co.jp

常陸国牛敷藩の下級藩士の娘・車井彩菊は算法が大好きで、寺子屋で教えている。
藩内のある村では、妖怪「賽目童子」への生贄として若い娘をひとり捧げていた。
村人に乞われ、彩菊は妖怪とサイコロ勝負をするが……(第一話)。
大人気「浜村渚の計算ノート」シリーズの著者が贈る、
数学の知識がなくても夢中になれる新感覚「数学×時代」ミステリー!

もしかすると『浜村渚の計算ノート』シリーズの基礎はそのままに、時代設定とキャラクターを変えただけかもしれません。それでも面白かったんだからいいんじゃね?というのが私の感想です。浜村渚シリーズが好きな方は絶対に楽しめます。

個人的には浜村渚シリーズにあるポップさと所々出てくる残虐性がミスマッチなんだよなぁと思っていたのですが、こちらのシリーズだとそのミスマッチ感が薄れるんですよね。また主人公が「武家の娘」って設定も地味に効いていて、すんなりと彼女が事件に入り込んでいく装置になってます。いろいろ考えるに、これはこれでありと言うよりもこちらの方がよりしっくりくるまでありました。

非常に気に入った作品なのですが、続きが1冊しか出てないので悲しいんですよねぇ、もっとシリーズ化して欲しかったなぁ。とりあえずその1冊を大切に読もうと思ってます。