ニンテンドースイッチのゲーム『ファイアーエムブレム風花雪月』は過去の作品をプレイするためにハードごと購入していたにもかかわらずここ最近の作品には手を出さなくなっていた古参の元ファンである私がシリーズ最高傑作だと断言する素晴らしい作品だったよ!
配信日 2019年7月26日
メーカー 任天堂
ジャンル シミュレーションRPG
価格 6,980円
1980年にファミコンでファイアーエムブレムが発売されてからこのシリーズを緩く追いかけている古参ファンです。封印や劣化をプレイするためにGBAを購入いたしました。蒼炎をプレイするためにGCを購入いたしました。続編である暁をプレイするためにWiiを購入いたしました。
しかし、この暁がどうしてもクリア出来ず、私の中でファイアーエムブレムへの熱が冷めていきました。そして3DSを購入して覚醒をプレイしクリアまで漕ぎつけたのですが、ストーリーが今一つだったためなのか、単純に面白くなかったのか、そもそも飽きてしまったのか、ここで完全に熱が冷めてしまったようです。
ifに関しては売り方が気に入らなかったのもあり、全く購入する気持ちが湧きませんでした。そしてEchoesに至っては発売されていたことも知りませんでした。
そんな中発売されたニンテンドースイッチの『ファイアーエムブレム風花雪月』ですが、当初は購入するつもりはありませんでした。最初のPVを見たときは「学園ものかよ」と寧ろ印象を悪くしたぐらいでした。
ファイアーエムブレム 風花雪月 [Nintendo Direct 2019.2.14]
発売日が延期されたこともあり、私の記憶から消えかかっていたぐらいでした。
それが。
それがこのPVで全部覆りました。
ファイアーエムブレム 風花雪月 [E3 2019 出展映像]
5年後の彼らを見て即限定版を予約しました。
学園もので温いストーリーかと思ったら知ってる者同士で殺しあうえげつないストーリーと分かり、これだよこれが俺の求めていたファイアーエムブレムだよ!と購入意欲がマックスを越えてしまいました。
限定版が到着した時の様子をブログにて報告しております。
到着後すぐにプレイしてます。してるのに。ボリュームが凄いとか4ルートあるとか知ってはいたのですが、まさか半年も掛かるとは思ってもおりませんでした。4ルート目をクリアしたのが2019年12月31日の大晦日だったからね!プレイ時間を調べたら270時間でした。毎日猿のようにプレイしまくってた『スプラトゥーン2』に匹敵する時間です。
剣斧槍の3すくみの撤廃や全兵種選択可能等、今までのシリーズでは当たり前だったものを変えてきたことに対して不安がございましたが、完全に杞憂に終わりました。
断言しましょう。この『ファイアーエムブレム風花雪月』は、UIにしてもストーリーにしてもデザインにしても一番肝であるゲームとしての面白さにしても、シリーズ最高傑作であり、古参ファンも覚醒からのファンも新規の方も満足できる最高の作品です。
ただ、残念な部分が無い訳ではありません。
戦闘の肝であるマップに関しましては酷いレベルとしか言いようがありません。しかも使いまわしもあったりして。シミュレーションゲームでマップの出来が悪いって致命的なのですが、他の面でカバーして何とかなったとしか言いようがないぐらい酷いです。
修道院を3Dで歩き回るパートも無駄とかし思えませんでした。無駄に広いし。これのお陰で必要以上にプレイ時間が掛かってしまいました。毎月初めの散策が面倒で嫌々こなしておりました。
ロードの時間もかなり長いです。サードやインディーゲームなら仕方ないと割り切れるのですが、任天堂から発売されたにもかかわらずここまで長いと手を抜いた感があります。そのぐらい長いです。長いから画面下に傾きを感知して小さい主人公が動くような遊びを導入したのでしょうか?そんなことやってないでそのリソースを改善に振れよ!と毎回思ってました。
釣りも面倒で殆どやりませんでした。1匹釣るのに時間も掛かるし集中力を要する設定でした。ただでさえ散策で時間が掛かるのに釣りなんてやってられません。クエストで釣りをやらされたのが結構苦痛だったっけなぁ。釣り堀の管理者に話しかける→餌を選択→魚が釣れる、ってだけでいいのにこんなところを無駄に凝らないで欲しかったです。
やる気を上げるのに一緒に食事をするのですが、仲間は一日一回しか食事が出来ないのに主人公は何回でも出来ます。大体5~6回は食事させてたもんなぁ。こういうガバガバ設定が気になってしまうのは私だけでしょうか。
計略のバランスもおかしいです。1回の戦闘で1~2回しか使えないのに命中率が低かったり。育てれば上がりますが、使える回数を考えるとそんな気になれません。
逆に言えば、まだまだ伸びしろを感じられたんです。これだけ多くの不満点があるにもかかわらず、私を半年もプレイさせ続けたぐらい素晴らしい作品なんですから。これらが改善されたらもっと良くなるんだもの。
計略に関しては、もっと突き詰めればシミュレーションRPGというかマス目タイプのジャンルに革命を起こせるぐらい素晴らしいアイディアだと思ってます。1回の戦闘に1~2回しか使いえないのは本当に勿体ない!
UIも分かりやすく考えて作られてるなと感じました。移動範囲と攻撃可能範囲の表示や敵ごとの範囲等々、親切で丁寧な部分が多々ございました。
回数制限がございますが時間を戻せる設定も素晴らしい!これのお陰で最初からやり直さずにプレイ出来たおかげで大幅にプレイ時間短縮が出来たし、心が折れることもなく全ルートクリアすることが出来ました。何よりこの設定をちゃんとストーリーで裏付けしてたのも丁寧な仕事っぷりだなぁと感心しました。
そしてストーリーです。本当に素晴らしい出来にただただ感謝です。
ゲームの面白さにストーリーなんて関係ない、と思われる方もいらっしゃるかもしれません。実際私もそう思ってる側の人間ですし、実は今でもそう思ってます。思ってますが。この作品に関しましては、根底にある物語がゲーム全体の面白さを底上げしてると感じられました。ただの戦闘も王国を取り戻すためだと胸が熱くなったりするんですよ!
4ルートございますがハズレもなく全部楽しめました。寧ろ4ルートクリアするのが前提ですね。私は
帝国→王国→同盟→教会
とプレイしましたが、この順番で良かったと思っております。どの順番でも問題なく楽しめますけどね。
少しでも興味がありましたら、濃厚で丁寧で細部にまで作り上げたこの世界を是非堪能して欲しいです。
シミュレーションやRPGが苦手で不安に感じる人がいらっしゃるとは思いますが、そういう方には救済策が相当用意されております。難易度も選べますし、死亡した場合キャラロストをしないカジュアルモードもございます。
そもそも、あまり得意ではない私でさえ難易度ハードで死んだらキャラロストするクラシックモードでもクリア出来るぐらいの難易度です。安心して下さい。
これだけ多くのキャラクターがいるのに全員に思い入れがあるんだぜ?どうでもいいキャラクターがいないんだぜ?しかも一人一人語れるぐらい思い入れが深いんだぜ?ここまで多くのキャラクターを愛せた作品は今までありません。半年間、本当に毎回楽しくプレイ出来ました。
制作したインテシジェントシステムズ、コーエーテクモゲームスには感謝しかありません。本当にありがとうございました。
良い点
重厚かつ濃密で細部にまで作り上げた世界観
シミュレーションRPGの最高峰
抜群の費用対効果
悪い点
マップ
ロードが長い
評価
10/10