鹿沼の隅っちょから

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浜村渚の計算ノート9さつめ 恋人たちの必勝法(マーチンゲール) 青柳碧人

数学テロリストが現れて浜村渚が登場して数学的に解決する、というおなじみの展開を続けて早9作目+3冊ぐらいかな。毎回同じような展開であるものの、そこに登場する数学的要素を知らないし分からない私のような者にも、丁寧にそして簡潔に分かるように説明してくれさらにはそれが楽しいと感じさせてくれる貴重な作品です。こんな作品、他にはありませんからね。本当に貴重で素晴らしいシリーズなんです。

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名古屋のテレビ塔が爆破され、あのテロ組織がカジノの地下から犯行声明を出した。ルーレットゲームで、もし玉が黒い数字に止まったら更なる爆破が起きるという。「数学的に絶対に負けない」と豪語する敵・マーチンゲールを浜村渚はどう墜とすのか!? ほか「組み合わせ」や「レピュニット数」をテーマにした数学×キャラミス全4編。

 今回も全く知らない数学の知識を元に物語は進んでいくのに、私のような無知なものでも楽しい!と思えるんです。これって本当に奇跡的に素晴らしいことをやってのけてるんですよ。前も書きましたが、このシリーズのお陰で三角関数が理解できたんですから。一見難しく思える公式も、このシリーズに掛かればとんでもなく分かりやすく理解できてしまうんですよ。

 

レピュニット数を扱ったエピソードは面白かったですね。短編ミステリーとして、そして浜村渚シリーズの世界観として、さらには全く知らなかったレピュニット数なるものを知る機会を得られたことも、全部ひっくるめて素晴らしい体験でした。

レピュニット - Wikipedia

これ見て理解できます?出来ませんよね。でもこの作品を読めばすんなりと理解出来ちゃうんですよ!

 

マーチンゲール法のエピソードはこのシリーズ随一のエピソードではないでしょうか。伏線の貼り方からラストの演出まで完璧です。このエピソードだけ映画化決定なぐらい、私の脳内でカッコイイ映像が容易に想像出来ましたもの。本当に素晴らしい!

ちなみにマーチンゲール法とはカジノでの賭け方だったりします。

ベッティングシステム - Wikipedia

マーチンゲール

最も古典的かつ有名な手法で、カジノ必勝法として永らく愛されてきた。倍賭け法とも言われる。まず1単位賭け、負ければその倍の2単位、さらに負ければそのさらに倍の4単位、と賭けていき、一度でも勝てばただちに1単位に戻す、という手法である。試行回数に関係なく、勝った時には1単位を得ることになる。多くの場合には少額の勝ちであるが、負ける時は大敗する。負けが連続するとたちまちパンク、もしくはテーブルリミットと呼ばれる賭けの上限に達してしまう。

ギャンブルと数学って確かに相性がいいんですよね。確率論になるのかな。ただ麻雀を嗜んでいた私からしますと、強い人は確率とか超越してくるのであまり関係ない気がしております。「そこで一発辺張引くかよ!」みたいな経験ばかりしてきましたから、ええ。

 

私の中で、この『浜村渚シリーズ』が世間一般にあまり評価されてないというか評価が低いことに憤りを感じております。ここまで数学を分かりやすく解説するだけでなく、物語としても面白い作品なんて世界中どこを探してもありませんからね。

もっともっと多くの方にこのシリーズに触れて欲しいです。アニメ化はまだですか?動画で解説したらもっともっとわかりやすいと思うんですけどね。