鹿沼の隅っちょから

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「鹿沼」でググった時に1ページ目に表示される事を目指していたのに鹿沼の事全然書いてません

AUTOMATONの中国関係の記事がやけに生々しくて素晴らしいと思ったら中国在住の方が書いたものでした

私が大好きなゲーム系ニュースサイト『AUTOMATON』ですが、たまにある中国関係の記事が非常に詳しく丁寧にそして生々しく書かれているので気になっておりました。こんな素晴らしい記事、どうやって書けるのだろうかと調べたら中国在住の方が投稿していた記事でした。なるほど納得です。

今回のこの記事もその方が投稿したものでした。

automaton-media.com

正規版コンシューマーゲーム機が発売されたとは言え、中国国内ゲーマーたちが闇市からゲーム機及びそのゲームを購入する行為はやめられない。その理由は、中国国内に販売されるすべてのゲームに政府からの審査を受け、ライセンスを獲得しなければならない(よって、発売されているゲームが驚くほど数が少ない)

国が審査するとなると相当時間が掛かるでしょうね。そして通過する作品は微々たるものになるでしょう。確か流血やスプラッター系はダメだし、エロもダメ、ギャンブル系もダメ。エロくないけどエロ要素がある『Va-11 Hall-A』とかもダメだろうな。

その段階で正規品を購入する気になれないわな。

 って俺が思ってる以上に審査が厳しいようでして。

中国版Nintendo Switchニンテンドーeショップでは、現在『New スーパーマリオブラザーズ U デラックス』のみ販売されている。これからも、政府による審査を通ったライセンス獲得済みのゲームしか販売されない。

https://automaton-media.com/wp-content/uploads/2020/02/20200221-114550-008.jpg

のみ?!本当に1本しかねーの?

中国版Nintendo Swtichでは、他の地域で販売されているパッケージ版のゲームを遊べるが、DLCなどの購入は不可。また、ゲーム内のオンライン要素は利用不可(たとえば他人と対戦できない)。ただし、ゲームソフト自体のアップデートは可能。

お、他国のパッケージ版が起動するなら他国の購入するんじゃね?ってオンライン要素は不可なのか、ってそりゃインターネット遮断してるからな中国。

そもそも他国で販売してるパッケージ版って闇市でしか手に入らないのだろうけど。

なお、中国の任天堂ホームページに掲載されている情報によると、これから販売する予定のゲームは『スーパー マリオパーティ』『ポケットモンスター Let’s Go! ピカチュウイーブイ』、そのほか6個しかなく、いずれも販売する時期が未明な状態である。

www.nintendoswitch.com.cn

任天堂ソフトしかなかった。しかしゼルダがあるだけでもいいかなぁ。って発売日が未定なのね。スプラトゥーン2の影も形も無かったのが残念で仕方がありません。流血やグロ描写が無いTPSなのに中国ではダメなのか。

 

しかし、こんな仕様でも売れてるようです。

今年の中国の旧正月の休みでは、(正規ルートでは)一つのゲームしか遊べないにも関わらず、中国正規版のNintendo Switchの売上は予想より好調であった。

なんで?と思ったら

タオバオとWeiboで「Switch 国行」と入力し、商品を購入したユーザーのレビューを調べてみると、主にライトゲーマーか、普段全くゲームを遊ばないユーザーによる購入歴が多い。

あーライトユーザーが購入してるのね。

ユーザーの多くは『リングフィット アドベンチャー』『フィットボクシング』や『ジャストダンス』などを遊ぶだけのために、Nintendo Switchを購入している。また、正規版と海外版の違いを考慮した上で、国内正規版を選択したユーザーも少なくない。なぜなら、ヘビーゲーマーではない彼・彼女らにとっては、海外版のいくつかのゲームを遊ぶことができれば十分だからだ。

ライトユーザーが海外のパッケージ版を闇市で買う、ってパワーワードにクラクラきました。それライトユーザーなのか?さすが中国、闇が闇じゃないというかすぐ隣に闇があるというか。

ちなみに私が唯一購入した海外版は『押忍!闘え!応援団!』の海外版『Elite Beat Agents』だけです。秋葉原で購入したっけなぁ。

 

コンシューマーゲーム市場の不健全さは、中国の文化産業、とくにゲーム産業に大きなダメージを与えている。

常に誰かがゲームの内容を監視しているし、誰かが政府に告発することで容易く規制が強化されていく状況は、クリエイティブな内容を追求しているゲーム産業にとって害でしかない。

共産党を批判するようなことを中国在住の方が書いて大丈夫なんですかね。強制連行されるんじゃないかとヒヤヒヤものです。

と思ったらさらに痛烈に共産党批判してる!

中国のゲーム産業(およびすべての文化産業)は、政府の政策に大きく左右されている。13年間もコンシューマーゲーム機の販売が禁止されていたのも一つの例だが、去年までは長期に渡りゲーム審査及びゲームライセンスの発行が停止していた。ライセンスの発行停止は、事前告知もなく、実際に停止してから半年経ってからようやく気づかれたものだ。ライセンス発行停止に伴い、中国の多くの中小ゲーム企業が倒産し、テンセントをはじめ多くの大企業も莫大な損失を被った。政府の命令次第で、あらゆる商売が出来なくなってもおかしくない産業だ。この産業への長期的投資、または運営は、いつでも政治的なリスクを伴う。

これでまともな商売が出来るはずありません。中国国内の企業がチャイナリスクに晒されてるんだもの、国外の企業が参入する訳ないよね。

当初任天堂がスイッチの販売をテンセントに委託した聞いたとき、儲けだけテンセントに掠め取られるのではないかと危惧しておりましたが、この記事を読むと全く逆の印象になりました。どう考えてもリスクの方が大きいわ。

 

この投稿者、過去の記事を見ても非常に生々しく中国のゲーム事情を書かれておりました。素晴らしい。この方の記事を読み、ジャーナリズムのあるべき姿とはこういう事じゃないのだろうかと思ったりしております。ただ中国在住なので投稿者の安全が心配です、人権も糞も無い共産党が支配する国ですからね。

 

最後に、私が刺さった文章を紹介いたします。

今の中国のゲーム産業を見れば明白だが、ほとんどのゲームはFree to Play、そしてPay to Winのビジネスモデルに当てはまる。もちろん、政策に大きく左右されるビジネスであり、利益を追求するのは生き残る術ではあるが、このようなマーケットでは「歴史に残る名作」は生まれにくく、「お金を儲けるため」の資本投資に偏重してしまう。中国のゲーム産業をリードしているテンセントも、資本力トップの「ゲーム会社」へと成長していったものの、中国以外の地域ではさほど名前を知られていないし、他国では代表作として名を挙げられるゲームもない。テンセントは、ゲーム会社として運営されているわけではなく、「今の市場で一番儲かるもの」を運営している、極めて合理的な大企業に過ぎないのだ。

ゲームは確かに商売だしビジネスなのです。でもそれだけじゃないって事を、多くの方々に是非知って貰いたい、そう思いました。中国どころか日本でさえゲームのイメージって悪いしね。