鹿沼の隅っちょから

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希土類少女 青柳碧人

数学は苦手なのですが数学を扱った『浜村渚』シリーズが大好きな私。その作者である青柳碧人さんの作品で未読のものがかなりあるのでとりあえず何冊か購入したものの一冊がこの『希土類少女』です。これでレアアース・ガールと読みます。

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日本レアメタル機構、通称「コミュニティ・マヒトツ」の職員・江波。<レアメタル生成症候群>と呼ばれる少女たちの管理を行う江波は、少女たちに特別な感情を持たないよう、日々の業務を忠実にこなしている。
一方、14歳で入所したが未だにコミュニティの少女たちとなじむことができない少女・冴矢。自分が死ぬまでの運命が決められていることを知って、自暴自棄になっている。
とある出来事によりお互いを認識するようになった江波と冴矢だったが、この時点では、お互いがお互いにとって重要な存在になることに気づいていなかった。

やがて、コミュニティの一年で最も盛り上がる、体育祭の日が近づいてきたのだが……。

希土類少女 (講談社文庫)

希土類少女 (講談社文庫)

 

冒頭から「下半身に熱い血液が走っていく」なる表現に「今まで俺が読んできた青柳さんの作品と違う!」と衝撃を受けました。二人の男女が性行為を行おうとしている描写を読みながら、主人公はこの少年なのだろうなと思っていたのですがそんなことはなく、んじゃ体から希土類を輩出するこの少女が主人公なのかと思えばそんなこともなく。なんか意味あったのかこれ?と思いながら物語が進んでいきました。

しかし、青柳さんの作品をそこそこ読んでいる私にとってはこの冒頭シーンが非常に重要でした。「俺の知ってる青柳さんの作品と違う」と感じながらも、読んでいると間違いなく青柳さんの作品だと感じられるんですよ。なので新鮮な気持ちでいながらも安心して読み耽ることが出来ました。

 

で、読み切った上での感想なのですが、帯には「SF長編小説」と書いてありますが、どちらかと言えば「ミステリー小説」でした。SFの部分は「希土類を体から排出する少女がいる」って部分のみでした。全然SFじゃねーじゃんって思いながら読んでたのですが、それは私がここ最近読んだSFが『最後にして最初のアイドル』だったり『トランスヒューマンガンマ線バースト童話集』だったりしていたからでしょうか。こいつらがすんげー濃かったからさ。

ミステリーとしては上質でした。そもそもその部分を謎だと認識してなかったよ!って感じでいきなり答えを叩きつけられる感じが私は好きです。伏線だと思ってなかった部分が伏線だった、って演出が大好物なんです。

 

やはり青柳さんの作品にハズレは無いな!と確信できた一冊となりました。これから全作品をコンプリートすべく購入してきます。