鹿沼の隅っちょから

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ラスト・ワルツ 柳広司

アニメ『ジョーカーゲーム』を視聴したのをきっかけに原作を追いかけてきましたが、とうとう最後の作品となってしまいました。

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仮面舞踏会、ドイツの映画撮影所、疾走する特急車内――。大日本帝国陸軍内に極秘裏に設立されたスパイ組織「D機関」が世界を騙す。ロンドンでの密室殺人を舞台にした書き下ろし短編「パンドラ」を収録!

ラスト・ワルツ (角川文庫)

ラスト・ワルツ (角川文庫)

 

 

ワルキューレ」はエンターテイメントに全振りしたものを作者が書きたかったのかなぁ、と思いながら読んでました。ハリウッドで実写映画化したら派手だし見栄えも良さそうだし、登場人物もゲッペルスだの美女だのイケメン俳優だの、これぞ正しくスパイ映画!エンターテイメント!って感じの仕上がりでした。

ですので私としてはあまり好きではありません。

 

「舞踏会の夜」は何故2本目にしたのでしょうか。このエピソードが本のタイトルにもなった「ラスト・ワルツ」であり、時系列的にも全シリーズの最後のものなんです。そして最後にふさわしい結城中佐絡みの素晴らしいエピソード。

私としては何故これをアニメ化しなかったのかと残念に思いつつ、中年女性がメインだと映像的に映えないのかもな、とも思ったり。

 

「パンドラ」は前作の「失楽園」と同じ構造のエピソードでした。全くD機関のスパイが出てこないけど実は暗躍して彼らの思惑通りに動かされてたんだぜ的なお話です。ミステリーとして良く出来ております。この手法使ったらどんな話もスパイものに仕上げられそうだな、と思ったり。

 

「アジア・エクスプレス」が最後のトリとして掲載されている意味が分かりません。悪くは無いのですが、それほど良いエピソードでもないし。アニメ化されてますが、殆ど私の記憶に残っておりません。

いや、そんなに悪い訳じゃないのよ、ただ、ラストを飾るほどじゃないし、アニメ化されるほどでも無いって意味です。可もなく不可もなく、そんなエピソードなんです。もしかすると読んでいる私がこのシリーズに慣れてきただけなのかもしれませんが。

 

何となく見たアニメ『ジョーカーゲーム』のお陰で素晴らしい作品に出合うことが出来ました。このシリーズが今後も続いてくれればうれしいのですが、この最後の「ラスト・ワルツ」が4年以上前ですからね、絶望的だな。

続編が出ないことが悲しいぐらい楽しませて頂きました。このシリーズではない他の柳広司さんの作品も読んでみようかと思います。