鹿沼の隅っちょから

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「鹿沼」でググった時に1ページ目に表示される事を目指していたのに鹿沼の事全然書いてません

玩具都市弁護士 青柳碧人

私が大好きな作家の一人青柳碧人さんの作品。ちまちまと購入しては読んでいるのですが、この作品には中々手が出ませんでした。だって内容が全然想像できないんだもの。玩具都市?弁護士?不安を覚えながら読み始めたのですが、そこそこ楽しむことができました。

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知能と感情を持つ玩具が生み出され四十年。
人に捨てられ荒んだ玩具と、落ちぶれた人間が集まる街は「悪魔のおもちゃ箱」と呼ばれるようになっていた。
街に住む元弁護士のパン屋・ベイカーの前に現れたのは、キャプテン・メレンゲ率いるキッチン玩具団。彼らは、ブタの貯金箱型密室で矢に射られ機能停止した、殺玩具事件の容疑者・コルク抜きビリーの弁護を依頼しにきたのだった!

玩具都市弁護士 (講談社タイガ)

玩具都市弁護士 (講談社タイガ)

 

ってやはり設定がぶっ飛んでてこれミステリーとして成り立っているのか疑問です。土台からというか根底からというか世界のルールというか、普通の世界観ではない舞台での事件を解決するって、読んでるこちらからすると「何でも有りじゃね?」と疑ってしまうんですよね。だからミステリーとして純粋に楽しめない部分があるんですよ。

そもそも読んでいて全然ビジュアル化が脳内でできないんですよ、私がそんな風に本を読んでいたことにも驚きでしたが。ギャングのボスであるキャプテンメレンゲ、彼の右手は泡だて器になってるとの描写があるのですが、それ以外なんの説明も無いんですよ。顔は?ボディは?足は?想像できなくて何だか居心地が悪いんですわ。これが人間だったら意識せずに想像できるのですが、このギャング、元々AI機能付きの玩具なんですよ。想像で補完できない訳でして。

弁護士でパン屋って設定も意味が分からないし、事件を解決するのは主人公じゃなくてアシスタントの女の子だし、AI機能付き玩具が生活する世界なのに人間が意外と住んでたり、引っ掛かるファクターが多すぎてモヤモヤしっぱなしでした。

などと不満を書きつつも、そこは私の大好きな作家さんの作品、なんだかんだ楽しむことができたんですけどね。だってこのシリーズの続編も購入したしね。ってまさか続編があるとはね。よく出せたなぁ・・・。