ニンテンドースイッチのゲーム『あつまれ どうぶつの森』はゲームの概念を根底から覆す革命的な作品であり今までゲームにどっぷり浸かってた人ほど不平不満を口にするけどそれを凌駕する魅力で多くの人を虜にする恐ろしい存在だよ!
配信日 2020年3月20日
メーカー 任天堂
ジャンル コミュニケーション
価格 6,578円
あつまれ どうぶつの森 Direct 2020.2.20 無人島生活をくわしくご紹介
このダイレクトですが、私見てないようです。当時は興味が無かったんですね、予約はしてたのですが。前作を一日で売り払った私ですので、「どうせ今回も私には合わないだろう」とどこかで思ってたのかもしれません。
面白さ
このシリーズは何が面白いのでしょうか。何に対して面白さを感じてるのでしょうか。毎日欠かさずプレイしてるのですから面白いと感じてるのは間違いないのです。しかし、何が面白いのか?と問われても答えられない私がおりました。今まで意識せずにプレイしていたから分からないのかと思い意識してプレイしましたがやっぱり分かりませんでした。分からないけどプレイし続けてります。意味が分かりません。
敵を倒す、ゴールを目指す、成長する、仲間を増やす、ボスを倒す、ストーリーを追う。
今まで私が触れてきたゲームにあったこれらの要素がありません。ゲームとはそういうものだと思い込んでいた私にとって、このどうぶつの森は異質で異常で異次元の存在です。
任天堂はこのゲームに「コミュニケーション」なるジャンルを付けました。意味が分かりません。そんなジャンルのゲームを私は今まで触れたことがありません。そしてそのコミュニケーションに面白さを見出せる気がしません。しないのだけれでも。
もしかするとその片鱗に触れたのかもしれません。
住民が一人この島を出ていくだけなのに、リアルな私の感情が動きました。コミュニケーションに面白さを見出していたからこその感情ではないか、と今では思っております。
この作品の面白さはそれだけではございませんが、ジャンルに「コミュニケーション」と任天堂が銘打ってる以上、これこそがこの作品の肝なのではないでしょうか。
操作性
はっきり言いまして悪いです。掘りたい場所を掘れない。置きたい場所に置けない。登りたい場所で登れない。家具を回収しようとしたら花を摘んでしまった。思う様に動いてくれずストレスが溜まります。
また、Joy-Conの不具合が如実に露呈しております。私だけかと思っていたのですが記事に書いてる方もおりました。
なんといいますか、絶妙にJoy-Conドリフトとの相性の悪さが出てしまっている感じです。
まさくし私も同じ状態です。勝手にキャラが動く場合が多々ございます。アイコンの選択さえままならない時があります。こればっかりはこの作品とは無関係なのですが、正直しんどいです。任天堂は集団訴訟に応じて欲しいですし、設計を見直した新しいコントローラーを無料交換するぐらいして欲しいです。ちなみにProコンでもこの現象が起こっております。もしかして故障かも?
UIも良くありません、というか酷い部類ですね。使い勝手が悪いです。多くの方が改善を求めてますが、今までのアップデートで改善されたことがありません。
グラフィック
キャラクターはデフォルメされてるけど、海や波、川や水、昆虫や魚、それら一部はかなりリアルに描写されております。そしてそれらはゲームの中で浮いておりません。これがかなり重要なことなのですが、私にはうまく説明できません。
任天堂は「それはそれ、これはこれ」が絶妙なんですよね。例えばですが、「ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド」にて、木を切ると紐で括られた薪の束になるんですよ。リアルの世界なのに普通だと考えられませんが、ゲームの中なのでいいんです。リアルを求めると、薪の束になるまでの工程を表現しなければならない訳ですが、そんなのプレイヤーは求めてますか?求めてませんよね。「それはそれ、これはこれ」のラインが絶妙なんです。そしてそのラインはどうぶつの森でも生かされております。
そしてそれを違和感なく処理するためのデザインが絶妙なのではないかと。
例えば下の画像。カジキはリアルですが、キャラクターや岩はデフォルメされてます。細かく言えば、岩と水面の境界や木の幹、さらには木の葉っぱもリアルには程遠いデザインなんです。
でも違和感が無い。「それはそれ」なんです。この後この大きなカジキを後ろのポケットに入れるしぐさをしますが、それさえも違和感がありません。そういうものだと私たちは処理出来てしまうんです。
私はそこにこそ、この作品のグラフィックの素晴らしさを感じます。
サウンド
メインテーマが大好きでたまりません。
こういう音楽の良さを今まで理解できなかったのですが、このCMを見てやっとわかった感じです。
プレイ中のBGMも邪魔にならず流れております。釣り糸を垂らすと音量が下がる気配りも好感が持てます。
でも一番好きなのが風が吹いて木々の葉が揺れたときの音だったりして。イヤフォンで聞くと本当にそこに居るようでおすすめです。あと波の音。
リプレイ性
この作品はリプレイ性の塊だと思ってます。毎日毎日大きな目的もなく同じことを繰り返しているのですから。普通のゲームならクリアには関係のない要素であるアイテム収集や新種コンプリート等々が、この作品ではメイン要素の一つだったりします。
と書いててそもそもどうぶつの森のメインってなんだ?と悩んでしまいました。本当に存在自体が特殊だわ。
感想
AMAZONのレビューやゲームサイト等の感想を見るに、どうも視点がズレてる気がしたんです。書いてあることは間違えてないし、私自身も感じてることが多々書かれているのに、この作品にそれを指摘するのは違うんじゃね?という違和感。
どうもこれらは今までゲームを嗜んできたゲーマー視点なんですよね、そしてこの作品は私を含めそういったゲーマー向けに作られてないんです。
「3月までしかイトウが出現しないから撒き餌を大量に作ってゲットするぞ!って素材のアサリを大量に確保したのにDIYが一個ずつしか出来ないのかよ!」
と不満を覚えましたが、そもそもこれがゲーマー視点なんですよね。一般の方はイトウが3月までしか出現しないことを知らないし、さらにいえばイトウの存在さえ知らない。だから撒き餌を大量に作ることもないし、そのためにアサリを持ちきれないぐらい確保しないし、それを使って大量にDIYもしないんです。
マイル狙いで行動が決められてる人もゲーマー気質ですね、私のことですが。
ゲームの概念を根底から覆すこの作品には、「ゲームであってゲームではない」なる言葉が一番しっくりくると感じました。
記録を塗り替えるぐらい売れている作品ですが、これほど人を選ぶ作品はありません。私はおすすめ出来ません。
まとめ
良い点
・ビデオゲームの根底を覆す革命的な作品
・そんなことを感じさせないほのぼの感
・居心地の良さ
・悪い点
・操作性
・UI
・時間泥棒
評価
10/10
人を選ぶと書いておきながらも、さらにはゲーマーには向かない仕様だと言っておきながらも、戦闘もゴールも目標も目的も勝利も何もない、ビデオゲームの根底を覆す革命的な作品である『あつまれ どうぶつの森』に、ゲーマーこそ触れて欲しいと感じております。デビルメイクライやベヨネッタを作ったプラチナゲームズの神谷さんのように、文句を言いながらもこの世界に嵌まりまくりましょう。
そんなことよりラムネさんがかわいい。