小説版レイジングループの推薦文を書いてる面々は一部界隈で有名な方々です。その中に一人だけ知らない方がおりました。日向夏って誰?と調べたらライトノベル作家さんでしたので、これも何かの縁だと思い購入しておりました。やっと読むことが出来たのですが、これは面白い!このシリーズを全部読みたい!と思うぐらい楽しめました。
大陸の中央に位置する、とある大国。その皇帝のおひざ元に一人の娘がいた。 名前は、猫猫(マオマオ)。 花街で薬師をやっていたが現在とある事情にて後宮で下働き中である。
そばかすだらけで、けして美人とはいえぬその娘は、分相応に何事もなく年季があけるのを待っていた。 まかり間違っても帝が自分を“御手付き”にしない自信があったからだ。
そんな中、帝の御子たちが皆短命であることを知る。今現在いる二人の御子もともに病で次第に弱っている話を聞いた猫猫は、興味本位でその原因を調べ始める。呪いなどあるわけないと言わんばかりに。 美形の宦官・壬氏(ジンシ)は、猫猫を帝の寵妃の毒見役にする。
人間には興味がないが、毒と薬の執着は異常、そんな花街育ちの薬師が巻き込まれる噂や事件。きれいな薔薇にはとげがある、女の園は毒だらけ、噂と陰謀事欠かず。 壬氏からどんどん面倒事を押し付けられながらも、仕事をこなしていく猫猫。 稀代の毒好き娘が今日も後宮内を駆け回る。
ちなみに、レイジングループ小説版の推薦文を書いてる面子は以下の通りです。
虚淵玄 まどか脚本
小高和剛 ダンガンロンパ
日向夏 ?
イシイジロウ 428の人
やはり日向なる人物だけ浮いてる気がしました。調べてみても『薬屋のひとりごと』しか出てこない。うーん気になる。だったら作品を読んでみよう!となりますよね。
お陰で素晴らしい作品に出会えました。本当に有難いです。
私は小学生時代に児童向けの江戸川乱歩シリーズを読破し、赤川次郎へスライドしていきました。基本的にライトな文体のミステリーものが好きなんです。
この『薬屋のひとりごと』はまさしく軽いテイストのミステリーものでして、肩に力を入れずに軽い気持ちで読むことが出来る、私にとってはジャストフィットしたものでした。
しかも私にとって一番重要なポイントは、「提示されたミステリーを推理してそれが当たるぐらいの難易度」だったりします。赤子の面倒をみる女官の実家が養蜂所と知り「ああ」と分かるぐらいの難易度なんですよ。この心地良さ、今までにない感覚です。
本格派とか日常系とかいろいろありましたが、この低難易度ミステリー(という名称が正しいのかわかりませんが)なるジャンルは新しいのではないでしょうか?私が知らなかっただけの可能性が高いのですが。
さらに重要なのは、今流行りの「俺ツエー」系の亜種なんです。大国の皇帝の妃が住まう場所にもかかわらず、町民でしかも妓楼の近くで薬屋をやってた主人公の知識で事件を解決し上り詰めていく「俺ツエー」系でもあるんです。
そして主人公の性格設定も面白い。相手役の任氏の設定も面白いし、何より二人のやり取りがまた面白い!
なにはともあれ人気がある理由が分かりました。読めば多くの人が気に入ると思います。
この作品を知ることが出来たことに感謝しつつ、9巻まで発売されてる幸せを今噛みしめております。ありがとうレイジングループ、お陰でこんなに素晴らしい作品に出合うことが出来たよ。