前作『茄子 アンダルシアの夏』を観たのは、この『茄子 スーツケースの渡り鳥』を観るためでした。何故観ようと思ったのか?それは舞台が宇都宮だからです。
これまた前作と同じで、冒頭を垂れ流しているだけでした。それでもこの作品の魅力を感じられると思います。
「ヴェルタ・ア・エスパーニャ」最終日前日に国民的英雄のレーサー、マルコ・ロンダニーニが突如の自殺。ぺぺのチームメイト、チョッチは同郷の先輩だったマルコの自殺により、レーサーとしての生活に疑問を感じはじめる。
そんな中、マルコの死の悲しみを胸に秘め、ぺぺ、チョッチほかチーム・パオパオビールはジャパンカップが開催される宇都宮に向かう。
来年でチームが無くなるパオパオビールだが、初来日で地元の応援もあり、チームはレースを前に意気が上がる。しかし、レース前日、チョッチはポイントのために強いられる苦しいレース生活から来年で引退することをぺぺに告白する。しかし、ぺぺは自分は「ポイントじゃなく、勝つために生きている」とチョッチの言葉に耳を貸さない。
果たして、チーム・パオパオのレースの行方は? 勝者は誰なのか? 熱戦の火蓋が切って落とされる!
あらすじを公式HPから引っ張ってきました。ほら!書いてあるでしょ!宇都宮って!
見ていて本当にそのまんま宇都宮の街中や大谷、さらには森林公園のコースがそのまま描写されていて驚きました。2007年の段階ですでに宇都宮を聖地化する作品があったなんて!もっとプッシュしてもいいんじゃね?それとも私が知らなかっただけでしょうか。
いきなり二荒山神社がまんま出てくるんだぜ?!
オリオン通りならぬオニオン通り!
このシーンは流れで見れば、地元民ならどこだかすぐに分かります。
大谷平和観音を見上げてるシーン。こんなに大きくない気がするんだけど。
こちらが大谷観音。平和観音と間違える人が多いのよね、仕方がないけど。
こんな感じで全編宇都宮が出てきます。そもそもコースも実際のジャパンカップのコースだしね!
ストーリーも前作よりストレートで分かりやすくエンターテイメント性が強くなってます。作画演出のクオリティは勿論高いのですが、今作はそこに声優の力量もプラスされております。
あまり褒めてる人いないんだけど、主役の大泉洋は本当に巧いと思うんです。役者として忙しいでしょうが、ぜひとも声優としても活躍の場を広げて欲しいです。
そしてチョッチの山寺さん!もうこれは私が好きなだけかもしれませんが、声を聴いてるだけでゾクゾクします。たまんねぇ。一瞬『攻殻機動隊』のトグザと勘違いしてしまう私がいたりしましたが。
あれ?全然似てないな。
今でこそロードレースの人気が出てきましたが、2007年当時はまだまだな存在でした。そんな中このような本格的な作品がアニメで、しかも宇都宮を舞台にしたものがあったなんて!知らなかった私はアニメオタクを名乗れませんね。
ロードレース好きは勿論、地元民は絶対に観るべきです。そして、ロードレースも宇都宮も興味が無い方でも、私としては是非観て欲しいとオススメいたします。これほど万人に胸を張ってオススメ出来る作品は中々ありません。ジブリ作品ぐらいですからね。
そう。前作の時も書きましたが、この監督さん、様々なジブリ作品の作画監督をなさってた方なんです。宮崎駿の後継者というより右腕と言われてた方です。キャラクターデザインが浦沢直樹っぽいと思ったのはアニメ『マスターキートン』の監督をしていたからです。って今作は浦沢直樹っぽさが消えてジブリっぽさがかなり強くなってますね。
ヒロインを比較すればわかりやすいと思います。
あれ?わかんねーや。
とにかく。ジブリ作品を見るような安心感を持って構いません。アマゾンプライム加入者でしたら無料ですので、時間に余裕があるときにでも見てください。本当にクオリティの高い素晴らしい作品です。
*画像は拾い物です。問題がございましたらご連絡ください。