私の中ではライトノベルの中で一番好きなシリーズである「りゅうおうのおしごと!」の9巻です。好きな割に発売してから時間が空いてしまったのは、ある程度購入する本がまとまってからネットで発注しようと思ってたからです。お陰で7冊も一気に届いたので年内に消化できるのか不安ですが。
「りゅうおうのおしごと!」の紹介はこちら。
玄関を開けると、JSがいた――
「やくそくどおり、弟子にしてもらいにきました!」
16歳にして将棋界の最強タイトル保持者『竜王』となった九頭竜八一の自宅に
押しかけてきたのは、小学三年生の雛鶴あい。きゅうさい。
「え? ……弟子? え?」
「……おぼえてません?」
憶えてなかったが始まってしまったJSとの同居生活。ストレートなあいの情熱に、
八一も失いかけていた熱いモノを取り戻していく――
「のうりん」の白鳥さんが今度は将棋をネタに書くのかぁ、なんて思ってたらもう9巻目ですか、早いものです。
白鳥さんの作風は、無理にライトノベルに合わせているきらいがあります。「のうりん」もそうでしたが、根底に流れているのは取材を元にしたガチな物語です。その上に、ライトノベルのエッセンスだと思われているギャグや下ネタやロリネタを振りかけております。
私個人としてはそれが非常に邪魔なのですが、売れる為には、そしてあまりにも重くなってしまうのを防ぐためには、仕方がない演出なのかもしれません。そのぐらい、重いです、エグいです。その内容は「のうりん」と変わらないぐらいの重さです、エグさです。
と書いておきながら何なのですが、9巻はそんなに重くありませんけどね。女流棋士を扱った巻と比べるとエグさが大分大人しいです、ってあの巻は感情移入しすぎて胃が痛くなるぐらい重かったからな。
それでも、幼くして両親を亡くした弟子の成長物語ですから、実は結構重い話なんですけどね。表紙の描かれている女の子が夜叉神天衣、今回のメインキャラです。
今までメインヒロインであるもう一人の弟子である「あい」のライバル的な位置で描かれていた天衣をメインにしたお話ですが、立場逆転してない?ってぐらいの描かれ方をしております。彼女の才能の描き方や棋風の成り立ち等々、今までの伏線をすべて回収しながら、絶対的な女王と対局します。
この「りゅうおうのおしごと!」、毎回そうなのですが、内容が重いエグい、そして熱いんです。スポコンものかよ!ってぐらい熱い展開なんです。なんで将棋なのに?って思うかもしれませんが、その考えは間違えております、将棋そのものが熱いんです。実際の将棋界隈であった出来事を元にお話が作られていたりします。下の動画はそんなエピソードの一つです。
そういう土台の上に描かれている「りゅうおうのおしごと!」、将棋に興味のない方、全く知らない方でも楽しめます。ロリとか下ネタとかハーレム展開とか邪魔な要素がありますが、それを軽く凌駕するぐらい熱く、そして感動出来ます。私はその邪魔な要素も楽しめるのである意味最高な作品なのですが。
興味を持たれましたら是非一読してください。ここ最近のライトノベル界隈で一番評価されている作品です。その理由を垣間見て欲しいです。
あ、9巻としての感想を全然書いてないや。ネタバレ無しだと難しいのでいいや。