鹿沼の隅っちょから

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「鹿沼」でググった時に1ページ目に表示される事を目指していたのに鹿沼の事全然書いてません

ソードアートオンライン22 キス・アンド・フライ 川原礫

初めてソードアートオンラインを読んだ時の衝撃が、10年以上経過した今もなおこのシリーズを購入しているぐらい大きなものだったんだよなぁと改めて思い返しております。と言いつつも正直惰性で読んでたりするんですけどね。あのアインクラッドでのヒリヒリした感覚はもう戻ってきません。それでも私はこの作品にワクワク感を多少なりとも感じております。そしてなにより、私はユウキのエピソードに弱いんですわぁ。

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dengekibunko.jp

アニメBlu-ray&DVD特典でしか読めなかった4つの物語を文庫化!

『ザ・デイ・ビフォア』――《SAO》攻略のさなか、キリトはアスナにプロポーズし、二人は新婚生活を送ることに。だが新居に到着した二人が目にした光景は、思いがけないもので……?
『ザ・デイ・アフター』――新生《ALO》に新たなアバターでダイブ以来、アスナは謎の《離脱現象》に襲われていた。その原因は《SAO》時代に起こった一つの悲劇にあった――。
『虹の橋』――海底神殿での冒険を終えたキリトたち。しかし海の王リヴァイアサンと深淵の王クラーケンの謎めいた会話は、一行を新たな冒険へといざなう!
『Sister's Prayer』――《SAO事件》のさなか、ある少女が医療用フルダイブ機器《メディキュボイド》の試作機に身を投じた。《絶剣》ユウキ、誕生の軌跡をここに。

ソードアート・オンライン22 キス・アンド・フライ (電撃文庫)

ソードアート・オンライン22 キス・アンド・フライ (電撃文庫)

  • 作者:川原 礫
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/10/10
  • メディア: 文庫
 

あまり調べもせずに新しいのが出たから購入しておこうとヨドバシ.comで注文したため、読み始めてしばらく経ってから気がつきました。「もしかしてこれ前のお話の続きじゃない?」って。改めて表紙を見たら絶剣さんがいらっしゃる。あれ?もしかして俺1巻飛ばしちゃったのかな?いやいやそれにしても絶剣さんがいらっしゃるのはおかしいなこれ、と調べたら短編集でした。

いやいやいやいや短編集を22とナンバリングするのおかしくね?百歩譲ってもシリーズの間に入れるのおかしくね?ユナイタル・リングなるシリーズが始まったばかりなのにこういうことするかなぁ。出すならせめて新シリーズが始まる前に出すべきじゃね?

さらに言えば、アニメのDVDBDの特典なのにこうやって読めちゃうのも駄目なんじゃね?せっかく高いお金出して購入した人達を蔑ろにしてると思うのですがどうでしょうか。

などと文句を言いつつも、私のようなDVDBDを購入してない者にも読ませてもらい本当に感謝してたりするんですけどね。だってユウキのエピソードである『Sister's Prayer』を読む機会を与えてくれたんだから。

 

『ザ・デイ・ビフォア』は何かと登場する主人公達の家を舞台にした短編。正直あまり面白いものではなかったのですが、アルゴなるキャラクターデザインがいい感じでさすがabecさんや、と感動しました。ってこれ本を読んだ感想じゃねーな。

『ザ・デイ・アフター』は私が大好きなアインクラッド時代のヒリヒリした感覚を思い出させてくれました。

『虹の橋』は締め切りに追われてやっつけで書き上げたような読後感。困ったら自動生成クエストでお茶を濁す手法が何回か使われてますが、私はあまり好きではありません。

 

そして『Sister's Prayer』は絶剣さんことユウキのエピソード。これだけでこの本を購入した意義がありました。というかこのお話を膨らませて1巻ぐらいのボリュームにしても良かったのではないでしょうか。そのぐらい私には堪らない感動をいただきました。あかんねん、ユウキ絡みはどうしても泣いてしまうねん。

このシリーズを読んでる人は知ってるんです。この短編はギルド『スリーピング・ナイツ』をユウキと姉ともう一人で結成されるエピソードなのですが、ユウキ以外の二人は今までのシリーズに登場してないんですよ、名前だけ登場してたかもしれませんが。つまり、ユウキが主人公たちと出会った頃にはすでに亡くなってるんです。それを私たちは知ってるんです。知ってる状態でこのエピソードを読んでるんですよ。絶望の状態から希望を見出すお話なのですが、読んでるこちらはそんな健気な彼女たちに心を揺さぶられまくりです。残り僅かな日々を彼女たちは楽しく苦痛もなく生きられたのかなぁ、なんて想像するだけで涙腺がガバガバになります。

 

とっくの昔に人生の折り返しを済ませたアラフォーなおっさんです。もう夢とか未来とかそういうステージはとっくに過ぎ去りました。今は人生の終わりから逆算して、今何をすべきなのかを考えながら生きております。すでに行っている筋トレや食事制限はその一環だったりします。一日一日を大切に、そして楽しく送ることを念頭に置いております。

それでも無駄に怠惰にテキトーに流れるがままに惰性で一日を終わらせてしまうことがあります。そんな私にとって、ユウキのような存在を目の当たりにすると申し訳ないという気持ちと、今日という日を大切に生きようと改めて思い直させてくれます。

DVDBD特典にもかかわらずこうやって読ませて頂けて本当にありがとうございました。もしかすると始まったばかりの『ユナイタル・リング』シリーズの続きより楽しめたのかもしれないなぁ、なんて思ったりして。