鹿沼の隅っちょから

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いまさら翼といわれても 米澤穂信

大好きな作家さんの大好きなシリーズの最新作です。好きなら文庫版が出るまで待つなよ、と自分でも思うのですが、文庫で揃えてるのでどうしてもね。安いし。

相変わらず米澤さんの日常系ミステリー&ブラックなテイストで綴られておりました。最高です。

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「ちーちゃんの行きそうなところ、知らない?」夏休み初日、折木奉太郎にかかってきた〈古典部〉部員・伊原摩耶花からの電話。合唱祭の本番を前に、ソロパートを任されている千反田えるが姿を消したと言う。千反田は今、どんな思いでどこにいるのか――会場に駆けつけた奉太郎は推理を開始する。千反田の知られざる苦悩が垣間見える表題作ほか、〈古典部〉メンバーの過去と未来が垣間見える、瑞々しくもビターな全6篇。

いまさら翼といわれても (角川文庫)

いまさら翼といわれても (角川文庫)

 

驚いたのが「連峰は晴れているか」をすでに読んでいたことです。元々この話はアニメ化もされており、なんで読んだこと無い話があるんだ!と驚いたのは覚えていたのですが、なぜか文章を読んだ記憶も蘇りました。おかしい、掲載された雑誌「野生時代」を読める機会なんて絶対ないのに。だってその雑誌が発売日が2008年で、アニメ放送は2012年なんですよ。アニメを見た段階で掲載された雑誌を探そうにも4年前のものは中々手に入らない筈です。

調べたら、アニメ『氷菓』ブルーレイ9巻の特典ミニ小説に掲載されていたそうです。そうか、俺これを読んだのか、って読んでる筈がありません。だってブルーレイ買ってないもの。

〈古典部〉シリーズ - Wikipedia

第9巻には放送時点で単行本未収録である小説『連峰は晴れているか』を収録した冊子が付属した。

というわけで謎です。私の中では「読んでない。私の勘違い」ということで解決しました。

 

「箱の中の欠落」はミステリーとして素晴らしい出来でした。途中で読んでる人に「もしかして?」と気が付かせる絶妙なバランス、最高です。

「鏡には映らない」はホータローが格好良すぎます。私の中でも彼はヒーローです。

「連峰は晴れているか」はこれが米澤穂信だと言える典型的な傑作だと思ってます。なぜこのような発想が出来るのか、信じられません。

「わたしたちの伝説の一冊」はダークな穂信が出まくってて最高です。ここら辺の絶妙な嫌な感じを出せるのは彼の才能だと思います。似た感じでは「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている」の渡航かと思ってますが、おそらくそんなこと言ってるのは私だけでしょう。

「長い休日」はミステリーとして読めませんでした。私の実体験に近いことをホータローも受けてたんだなと胸が痛くなりました。私の場合、バカだったので高校生になるまで気が付きませんでした。そして、今でもまだ気が付いてないのかもしれません。

とここまでは良かったのですが。

「いまさら翼といわれても」が正当に評価出来ません。すぐに謎の部分が分かってしまったことも影響があったとは思うのですが、私の中でえるの行動原理がどうしても理解できなかったからだと思われます。私の中のえるはこんな行動しない!みたいな。読者の私がこんなことを言うのも烏滸がましいのですが、どうしても消化できなかったんです。これはあくまで私個人の感想ですので、ファンの方は怒らないでくださいね。

 

ちなみに、一番私の中でインパクトがあったのが「走れメロス」の感想文だったりします。素晴らしい。読書感想文ってそんな風に書いても良いのか良いんだよな何故気が付かなかったのあろうか、と目から鱗でした。だって俺、小学生の頃からこんなことを考えながら本を読んでたから。そうか、そのまま書いていれば良かったのか。

 

興味がございましたら是非『氷菓』から順番に読んで欲しいです。個人的には『氷菓』は私の中で最高傑作の中の1冊です。

というか米澤さんの作品、全部読んで欲しいです。私が今一番好きなミステリー作家さんです。