鹿沼の隅っちょから

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ネタバレありの「シュガー・ラッシュ:オンライン」の感想

どうしてもネタバレありの感想を残したくなりました。

この物語の着地点がどう考えても子供向けじゃないんです。そこが非常にモヤモヤして胸が苦しくて悲しい気持ちになって。

でも、それこそがこの作品の一番素晴らしい部分であり核であり肝なんじゃないかと思ってるんです。辛いけど。

www.disney.co.jp

https://www.disney.co.jp/content/dam/disney/images/studio/sugarrush-ol/news/20180423_01_1.jpg

日本名のタイトルだとラルフとヴェネロペの二人が主人公のように感じますが、英語名だと「Raiph Braeks the Internet」ですから主人公はラルフだけなんです。そして物語的にもラルフの葛藤が軸の物語なんです。つか英語の題名だとラルフがインターネットを破壊するって!ネタバレもいいとこだな。

 

ゲームセンターに置かれているレースゲーム「シュガーラッシュ」の筐体のハンドルが壊れたために、そのハンドルをオークションサイトから手に入れるべくインターネットの世界へ向かう二人。様々な障害を乗り越え、やっと手に入れた!

普通の子供向け作品なら、困難を乗り越え元の世界へ戻った二人がまたそこで今まで同じ状況に戻る、もしくはさらに良い状況になって終わり、みんなハッピーになってエンディングでシャンシャン、で終わるのに、終わっていいのに。

シュガー・ラッシュ:オンライン」は許しません。そんな甘っちょろい思考を完膚なきまでに粉砕します。

甘いホワホワした気持ちで見ていた私は冷や水をぶっ掛けられた気持ちになりました。

見た目の世界観と提示された結論があまりにも違いすぎます。

 

ヴェネロペは立ち寄ったゲームサイト「スローターレース」の世界に憧れます。シュガーラッシュの世界ではコースは3つ。何が起こるのかわかるぐらいまで走りこんでしまったがために退屈を感じていました。しかし、このスローターレースの世界、オープンワールドです。犯罪率の高そうな都市を丸ごと走れます。コースではなく、人が住んでいて車が往来している街をそのまま走れるんです。刺激的です。何が起こるかわかりません。そりゃあ惚れるわ憧れるわここに住みたいと思うわ。ヴェネロペは今までの状況を捨て、スローターレースの世界で生活したいと思います。

ラルフは、ハンドルを手に入れて元の状況に戻ることが目的だと思っていたので、このヴェネロペの気持ちが全く理解できません。彼は「洗脳されてる!」と思い込み、彼女を助けるべく悪だくみを企てます。

それがヴェネロペにバレて仲違いしますが、最終的には関係性が戻ってエンディングになります。

なりますが。

 

最終的に、ヴェネロペは「スローターレース」の住人となり、ラルフは元の生活に戻ります。

え?なにこれ?着地点そこなの?

「友達でも意見は違う」「友達でも考え方は同じじゃない」

何回もこのセリフが出来てきます。これがこの作品の主題のようです。そしてその結論がこれなのかよ、と、おっさんとしてはモヤモヤしてしまうんです。ヴェネロペとまた楽しい日々が戻ってくることを願っていたのは、ラルフだけじゃなくて私もだったようです。だから、このエンディングがどうしても納得できない。

 

そして、納得できないけど、これしかないこともわかっているから、モヤモヤするんです。

ラルフの、友達を思う気持ちがわかるから、胸が苦しいんです。

長年悪役で友達がいなかったラルフにやっとできた友達を無残に引き裂くディズニーの脚本が意地悪すぎて悲しい気持ちになるんです。

 

ラルフはやっと出来た友達とただ一緒に毎日過ごしたかっただけなんです。それで満足なんです。その友達が新しい世界へ行きたいと言い出したら?

私はラルフのように笑顔で送り出せるのか?

私はラルフのようにその友達を好きでいられるのか?

私はラルフのようにそれでも生きていけるのか。

「友達」を「恋人」に変えてもいいと思います。そして、もしかすると「我が子」でも。

 

今回、我が子が見に行きたいというので二人で見に行きました。

生まれてからずっと、買い物するのも観光地に行くのも道の駅巡りをするのも自衛隊のイベントに行くのも嫁さんの実家に帰省するのも東京モーターショー東京ゲームショウも一緒に行きました。

そんな我が子ももう小学校高学年。最近はちょっとした買い物だと家で留守番しております。そして、もう一緒に出掛けることも無くなるんだろうな、とは思っておりました。実際私自身、中学生になったら殆ど親と出かけませんでしたからね。

その覚悟は出来ていましたが、別れまで想定していなかったことを、一緒に生活しなくなることを、この作品を見ていて突きつけられた気持ちになりました。

我が子が自分の夢のために進路のために生活のために家を出る、鹿沼から出る、栃木県からでる、日本から出る、そんな状況になったとき、私はラルフのように笑顔で送り出せるのでしょうか。

 

私自身、親元を離れました。親も笑顔で送り出してくれました。同じ日本ですが、遠く離れた土地で生活してました。

一緒に住んでたら絶対にありえなかった手紙をもらったりしました。電話でいいのに、なんて当時は思いましたが、その気持ちが手に取るようにわかります。そうか、あの時、こんな気持ちだったのか。

 

仕事から帰宅したら声変わりして野太くなった声で「おかえり」と言ってくれます。それが無くなるのか。我が子の部屋に我が子がいなくなるのか。「なんのゲーム買ったの?」なんて聞いてくれなくなるのか。

それを想像した上で、私は笑顔で送り出せるのだろうか。

違う、ラルフのように、私の両親のように、送り出さなければならないんですね。その覚悟を、今から積み上げていかなければならない、そんな気持ちになりました。

 

まさかディズニーの、こんな可愛らしい絵柄の作品でここまで私が精神的に追い詰められるとは思いませんでした。こんな捉え方をした人はあまりいないでしょうが。

ラルフは気持ち悪いしヴェネロペに依存しまくってましたが、最終的には笑顔で送り出しました。私も、彼のように強くなりたいと思いました。

 

ちなみに我が子にこの映画のどこが一番インパクトがあった?と聞いたら「ソニック」と答えました。えぇそこかよ。私もソニックが普通にしゃべってることに驚いたけどさ。

ディズニーヒロインズのメタ発言とか、うさぎさんがホットケーキを食べるゲームとか、青い鳥が呟いてたりとか、語りたいことがいっぱいあるのですが、それはまた後で。