鹿沼の隅っちょから

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「鹿沼」でググった時に1ページ目に表示される事を目指していたのに鹿沼の事全然書いてません

王とサーカス 米澤穂信

大好きな米澤さんの「王とサーカス」、文庫版が出ましたので購入即読み切ってしまいました。

毎回勿体ないのでゆっくり読もう!と思うのですが、どうしても先が知りたくて速読まがいの読み方でページを進めてしまいます。それでも今回は比較的時間を掛けた方だとは思うのですが。

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www.tsogen.co.jp

さよなら妖精」に出てきた大刀洗万智が主人公ですが、別にこの本から読んでも問題ございません。あの時彼女は高校生でしたが、この作品では28歳フリーライター成り立てです。

その彼女が2001年のネパールで、王族が殺害されるという事件があった中、とある事件に遭遇します。

 

ネパールの王室で事件って本当にあった事だとは知りませんでした。

ネパール王族殺害事件 - Wikipedia

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/2/28/Kathmandu_palace.jpg/800px-Kathmandu_palace.jpg

王宮としては質素と書かれていましたが、画像を見ると本当に王宮に見えませんね。

 

ネタバレなしの感想ですが、この読後感、正しく米澤さんだわぁと思いました。

この後味の悪さ!主題は解決してるけど他の件は未解決・放置・解決策無し!

良い人がいっぱい出てくるけど、そうでもない人がさらに出てくる。人の悪さが滲み出てくるこの感じ、間違いない、米澤さんです。

 

ミステリーとしても素晴らしいです。子供の頃に江戸川乱歩から入ってきた私には新鮮です。何冊も彼の作品を読んでおりますが、毎回新鮮な気持ちになります。これが今のミステリーなんだな、って。

私が一番唸ったのは、冒頭に出てくる「ネパールの料理は美味しいけど温い」ですね。このような日常系のミステリーをさくっと回答を出してくる感じが新鮮でたまりません。私がただの時代遅れの感性なのかもしれませんが。

 

文庫本の帯に3冠!と書いてありますが、あまり期待して読まない方がいいと思います。普通に読んで楽しむ感覚で挑んで欲しいです。

正直言いますと、米澤さんのファンである私ですが、「王とサーカス」、なぜこれほど評価が高いのか分かりませんでした。もちろん面白かったですし素晴らしかったのですが、軒並み1位を取ってしまうパワーを私は感じませんでした。

私のセンスが無いだけなのかもしれませんけどね。

個人的には「さよなら妖精」の方が好きです。衝撃的だったなぁ本当に。