本のカテゴリーがまだ(2)なので、今回は私の本に関するお話を。
ゲームの三國志から吉川英治に触れ、流れるように歴史小説が大好きになった私。
様々な作品を読みましたが、やはりファーストインパクトなのか三國志物が一番好きなのでした。
ですが、どの作品を読んでも不満があるんです、ちょっと現実味を帯びなさすぎとか、無駄なオリジナルエピソードぶち込んできたりとか。
そんな中、何かの雑誌で大絶賛されていた三國志がございました。
北方謙三が歴史小説?とまず驚きました、私の中では彼はハードボイルド小説の作家でしかなかったからです。
なんか渋いおっさんがガチムチで強かったり銃をぶっ放したり激しいセクシーシーンがあるやつだろ?それを書いてた人が三國志?面白い訳ないじゃん、なんて思いながら安くない単行本を1巻買って読んでみました。
最初の数行でその世界に持って行かれ、数ページで完全に虜になりました。
劉備かっけー!!なんだこれぇぇええ!!漢だ!漢どもがここにいる!!熱い!熱すぎるよぉぉおおおお!!!
気が付いたら読み切って本屋に行って財布に入ってるお金分の冊数を買ってました。
三國志を知ってる人ならば絶対に読むべきです、というか読め、寧ろ今まで読んでなかった奴がいること自体不思議だわ。
あとがきかインタビューで知りましたが、作者自信が演技も正史も調べて、そこに現実味や自分の好みのエッセンスを交えて作り上げたようです、が、もうね、とにかく素晴らしいの一言です。
登場する武将に対して北方謙三が「俺はこいつのことこういう漢だと思うんだ!だからこいつはここでこういう行動するんだ!」っていう思いがガンガン伝わります、そしてそれが勝手な解釈なのかもしれないけど、新鮮で面白くてなにより私は納得できてしまいました。
ここら辺の「納得できるかどうか」でこの作品の評価が別れると思います。
私は、この北方謙三の三國志が世界最高の三國志物語だと思っています。
新鮮で斬新な解釈の筆頭はやはり張飛でしょうね、こんな愛に溢れる解釈をした人は北方だけだと思います。
逆に関羽に関しては王道な感じで、寧ろ不満に思ってしまったりして。
諸葛亮も完璧な人間ではない描き方で本当に好きです、確かに完璧だったらすべての戦いに勝ってるしね。
恐らく北方が最も好きな人物は、呂布と孫策ですね、読んでてわかります、愛が溢れすぎてます。
呂布好きは意外といるので割愛するとして、孫策をここまで掘り下げたのは北方だけじゃないでしょうか、本当に愛を感じます。
逆に、司馬懿を嫌いすぎです、そこまで変態にすることないじゃないですか!
あと孫権、小物的な部分と大物的な部分をうまく表現してる気がしないでもありませんが、北方、そんなに嫌わなくていいじゃん。
あまり有名ではない武将の中で、ああ北方はこいつ好きだな!と読んでいて思ったのが王平、劉備の最後と馬謖の絡みでたしかにいた気がするなぁ程度の武将だったのですが、この作品では重要なキャラクターとして動いてます、北方、しぶいな!
検索すれば様々な感想が書かれておりますので、興味が多少なりとも湧きましたら、少し見てみて、作品を是非読んでほしいです、三國志とか歴史小説とかそういう枠を越えた傑作です。
やべぇ、感想を読んだだけでも胸が熱くなる。